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沖まどか、川中裕子、ソロコンサート(4月7日):飯野薫

春といえばこんにゃく座では、コンサートが目白押し!

今日はふたつのソロコンサートが行われました。

まずは沖まどかソロコンサート
ピアニストは服部真理子さんです。



プログラムはこんな感じ。

まどかさん扮するエプロンを付けたクリーニング店の店主さんが登場。
明日閉店するこのクリーニング店の片付けをしながらお客さんが取りに来ない、引き取り手のないクリーニングの洋服を着てみちゃったり、楽しい小道具を使いながら様々なソングを歌います。キャベツの千切りをしながら歌ったり、大好きな宝塚のパンフレットが置いてあったり。

元気はつらつ、まどかさんのいつもの魅力に加えて
かわいさあり
大胆さあり
女っぷりあり
いろいろな魅力を爆発させます。
そして設定や店主の女のことが別ったところで物語は本題へ

鄭義信さん作のひとりオペラ「おいしい餃子の作り方」

16年前の「あの日」のことを弟に語りかけていきます。実際にホットプレートで餃子を焼きながら。
餃子の焼けるぱちぱちという音や、湯気ももくもくたっています。
観ているこちらは、物語に入り込んで涙を流している人だっているのに、その間にもどんどん餃子の焼けるいいにおいが漂ってきます。
最後はおいしそうに焼けた餃子をそれはそれはおいしそうに頬張りながら歌います。お客さんにも振る舞います。

耳で目でで鼻で、、まどかさんの人を楽しませたい!という気持ちがとっても伝わってくる本当に楽しいコンサートでした。

そしてコンサート終了後には、改めてお客様に餃子を振る舞うまどかさん。



まどかさんが餃子をおいしく食べているその頃、夜に行われる川中裕子さんのコンサートの仕込みが始まります。

裕子さんがまず始めたのはコンサート会場に立ちこめる餃子のおいしいにおいのの消臭!!シュッ!シュッ!



舞台美術は裕子さんの高校時代のコーラス部の先輩で剪画作家の吉田健嗣
さんが製作してくれたそうです。みんな興味津々でコンサート終演後には人が集まってきましたよ。



そうして始まりました。
川中裕子ソロコンサート
ピアニストは榊原紀保子さん。

プログラムはこちら。



第一部はソングのステージ。
裕子さんというひとは、綺麗なおねえさんなのに、見た目に騙されてはいけません。おもしろいMCを挟んだり、ぶっとんだ冗談をかましたり、かと思うとしっとりと艶っぽいおねえさんのような時もあるし、不安定な少年の心もぴったり表現もなさったり。もう、なんという人なのでしょう。あのちっちゃな体の中に引き出し何段あるのだろう。

休憩をはさんで(その間に裕子さんは和服に衣装替え。着付けをしたのは、こんにゃく座の着物マスター齊藤路都さん)

後半は、オペラ「にごりえ」の抜粋。
にごりえ作者の樋口一葉さん、
遊女
息子のいる奥さん
一人で3人の女性を演じ分けます。

今日までの間、一人芝居をたくさん観に行ってお勉強したそうです。
一人芝居のために書かれたものでないオペラを一人で演じるための構成や、見せ方や演じ分けや、、考えただけで大変な事なのだろうなぁとため息がでます。

奥さんと遊女、どちらの女性にも寄り添って演じられていてどの女性も辛い。
色気があって愛情があって気品があって母性があってかわいらしさがあって狂気があって、本当になんて素敵な女優さんなのでしょうか。女性として憧れます。

コンサートの終わりのカーテンコールでは指導の岡原先生や照明の久司さん、舞台監督の北野さんやみんな一人一人に感謝の気持ちを伝えていた裕子さんの姿、印象的でした。

歌やオペラはもちろんですが、
コンサートに懸ける想いや二人のそれぞれの人柄の魅力が溢れでていました。

3月のツアー中、地方での空き日にもコンサートのお稽古をしたり、この数日前まで二人ともこの春からのツアーの稽古をしていたのを近くで見ていたので、本当に大変だったのだろうなぁと思います。自分がその立場だったらと考えただけで変な汗かきます。

そんなことを微塵も感じさせない、とっても素敵なコンサートでした。

足下の悪い中、こんにゃく座まで観にきてくださった皆様、ありがとうございました。


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舞台写真:姫田蘭

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