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『ネズミの涙』稽古場日誌(1月7日) 高野うるお

 Sくんとはなにかにつけて、バッティングする。わたくしは稽古の時たいがい弁当を持参するが、S君もそうである。それだけならなんてことないが、その弁当を入れてくる紙の手提げ袋が、、、来店するだけでコーヒー一杯がその場でもらえるとてもお得な、「ほぼ輸入食品店」のものであるのだ。しかもサイズまで一緒。
 そしてそれを、お茶場の左側の窓際のカラーボックスを横に寝かせたところに置くのも一緒。
 さっきまで私が座っていた椅子に、ちょっと席を立って戻ってくると案の定そこにはSくんが座っているのだ。
 と言うことは、この弁当の中身も・・・・・っとのぞいてみようと思ったがやめた。もし一緒だったらなんだか背筋がゾワーっとしそうだからである。

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