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ムジカ・ファイナルコンサート「明日ともなれば」(10月8日):田上ナナ子

秋の訪れを感じる10月8日、ムジカ音楽・教育・研究所が主催するコンサート「明日ともなれば」が四谷区民ホール満席のなか開催され、花島春枝がゲスト出演しました。

ムジカ音楽・教育・研究所は、1976年に「すべての人々に音楽の喜びを」をスローガンに、当時、20代、30代の若者たちによって立ち上げられました。
真に音楽の喜びを享受するには、ピアノ、声楽、合唱といった「音楽の現場」だけではなく、人間としていかに生きるかということが深くかかわっていると考えたメンバーは、歴史、平和、国、人間、そして自分を見つめるための講座を数多く開催し、仲間を増やし、たくさんの人たちに刺激を与え、場を作り続けてきました。

タイトルにあるように、このコンサートは、「ファイナル・コンサート」。残念ながら諸般の事情により、ムジカは事務所を年内で閉鎖されることが決まり、これまでの思い、時間、音楽がつまったコンサートを開催しました。

このコンサートのために結成された総勢70名の合唱団の合唱、志村泉さんのピアノ曲、花島春枝と、長年ムジカで声楽講師をつとめてこられた中馬美和さんとのデュエット「星めぐりのうた」(林光曲)「風がおもてで呼んでゐる」(萩京子曲)「さそりの赤目が見えたころ」(この歌が歌われるオペラ『シグナルとシグナレス』は、こんにゃく座の宮澤賢治オペラ第一弾。ムジカからの依頼で1985年に萩京子が作曲しました)など、もりだくさんの密度の濃い時間となりました。終盤には、「ポラーノの広場のうた」(林光曲)を客席も一緒に歌い、会場全体で、これまでと、そしてこれからに思いを馳せました。


写真提供:ムジカ音楽・教育・研究所 撮影:谷川正継

ムジカからはじまった、たくさんの人と人との繋がりはこれからもそれぞれの場所で育ち、また新しい繋がりを生み出していくことと思います。
ムジカのみなさん、42年間お疲れ様でした。そしてこれからもどうぞよろしくお願いします!


左から、第二部のステージに出演された飯原道代さん、花島春枝、中馬美和さん

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