『プリンセス天功とクラブ・マクベス』8/22稽古場日誌(とみ)

いきなり何のこっちゃ?
と思われるでしょうが、まあ聞いてちょうだい。

先日、イリュージョニストのプリンセス天功さんが、本番中に大怪我をした、というニュースがありましたが、ご存知ですか?
あばら骨を折って、全治1ヶ月の大怪我。

天功さん曰く、
「死ぬかと思った」
そうです。

テレビで見た車椅子姿のプリンセスは、とても痛々しかったです。

この痛々しさは何なのか、と思いました。
リアル。
リアルでした。

イリュージョン(幻想)に起こったリアル(現実)。
『幻想』の世界で起こった『痛み』という現実。

装置のトラブル、事故、言ってしまえばそれまでですが、
「死ぬかもしれない」目に会う訳でしょう?
「死ぬ」可能性だってあった訳で。

大怪我をする、ヘタしたら死ぬ、そんな現実が見え隠れするから、幻想、イリュージョンが際立つんでしょうか。

しかし、「死ぬ」可能性があるのに、何でやるの?

何でやるんでしょう。

そこに飛び込む、腹のくくり方、というか、そうせずにはいられない、彼女を駆り立てる何かの力、魅力。

何で?何が?


マクベス

破滅の道へまっしぐら。

何で?

マクベス、アンタ分かってるよね、このまま行ったらどうなるか。
なのに、なぜ行くの?
何が彼を駆り立てるのか。


クラブ・マクベス

演出の高瀬さん曰く、

「クラブ・マクベスは、ある男のファンタジー」
なんだとか。

ファンタジー

辞書で調べると、

空想。
そして、
幻想。

ここにも幻想。

高瀬さんは、ある意味『幻想世界のダンディー』であります。T-REX はお好き?

クラブ・マクベスのファンタジーを引き出し、引き立たせるには、怒り、悲しみ、痛み、といった現実が必要なのでは…

見ている人に伝わる現実。

現実に作る幻想。

幻想に飛び込むための力。

憑拠(よりどころ)。

ん~、ワシがこんな屁理屈をこねくり回すとは…
酷い暑さと、三人の魔女のせいやな。

あと、暑さの中で飲むビールのせいかな。

でね、今のところの結論はねぇ…

意味なんて、どーでもイイんですよ!(ドン!とテーブルを叩く音)
ンムフフフ…。

お客さん、いい加減にしてくださいよ。

はいはい。

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