2014年9月 オペラ『おぐりとてるてー説経節「小栗判官照手姫」よりー』まとめ

7月末の稽古インから駆け抜けた、新作オペラ『おぐりとてるて』。9月14日に、無事、千秋楽を迎えました。前売完売!満員御礼!!みなさまへの感謝を込めて、写真で振り返ってみたいと思います。


えいさらえいとみんなでひいたこのオペラ

出演者も、スタッフも、みんながそれぞれにこの作品への熱い思いを持っていて、それが集まって大きな熱として昇華していったような、そんな作品でした。


そんな熱気でなんと初日の開演を前にして前売完売!


自慢気にふんぞり返る人々

これはひとえに、演出家の立山ひろみさんのお力でもあるのです。


ひろみさんは一見すると美しくおしとやかな女性ですが
その中身はとても熱く厳しく温かく、そして愉快で大胆、かつ繊細な方で、


自ら餓鬼阿弥メイクを実践されたり


稽古場に浴衣であわられたかと思ったらすごい勢いでサングリアを作り始めたり


鬼鹿毛が稽古場に届くと誰よりも先に乗りまわしていました(写真の鬼鹿毛はまだ加工途中のものです)。


そうそう、この鬼鹿毛という人喰い馬、こんにゃく座には珍しいタイプの道具だったように思いますが、稽古場に現れた時から大人気で、


本物が登場する前から仮小道具の鬼鹿毛(名前は「カーリー」)を自ら作成し


乗り回していた


島田大翼氏演じる小栗殿はもちろんのこと、


打楽器奏者の高良さんや


照手姫の太田さん


作曲の萩さんも、鬼鹿毛に夢中でした。


萩さんは大蛇にも興味津々!




大御所岡原さんの演じたこの大蛇も素晴らしく恐ろしく


川中ゆうころんの美姫の美しさも相まって妖艶なものでございました。



大人気といえば、とにかくこのお方!




彦坂さん演じる千手観音は楽屋でも一目拝もうとする人々が後を絶たず




冠は奪い合いになり


中には衣裳まで無理やり着ようとする人も…!(鏡に映った背中は見なかったことにしてください)


どさくさに紛れてちゃっかり冠をかぶった衣裳部のこの人、飯野薫は


意図せずして全く同じポーズでボーズになったり


ボウズ(カツラ用のボウズマネキン)に紛れたりもしました。


そんなこんなで今回ボウズになった敏之さんと富山さんは、


かの人喰い馬・鬼鹿毛で素晴らしきコンビプレイを魅せていましたが


お茶場では初めてのストッキングかぶりに興奮なさっていて


かっこよさげにポーズをとったり


プロペラごっこをしたりしていました。


ボウズつながりと言えるかどうか、大人気だったゆうころんの視る目とうせんと大石さんの閻魔大王のコンビ。

その視る目さんのボウズ目玉頭を


こっそりかぶって記念撮影していたのは、弟子やら家来やらで出ずっぱりだったイケメン北野さん。


視る目とうせんの持つ、通称「目杓文字」もみんなが欲しがる大人気ぶりでした。



そんなこんなで白熱した稽古の日々。


稽古場を明るく厳しく引っ張っていたのは、打楽器もやっちゃう演出助手、西田さん。

この人のからっとした感じが、なんとも楽しい稽古場の雰囲気を作り出していたように思います。


稽古場には暗号の書かれたホワイトボードがあったり(赤丸の位置がヒントだそう)


時折歌舞伎の人が現れたり


コスプレイヤーが出現したり


お墓の向こうで笛を吹いたり


女装(?)してレッスンを受ける人もいました。


このカツラを生成するために


床山部屋と化した衣裳作業場には


カツラから外された毛たちがすだれのように並び


かき分けて覗く人や


外された毛を付けまつげにしようとする人もいたとかいなかったとか。


事務所ではチケット係と楽譜係をこなす裕加さんや

今回の制作チーフ・田上ナナ子さんがバリバリ働いてくれていました。


倉庫では演出部の久司さん、壹岐くん、冬木が道具作り(写真を撮られる間もなかった演出部の代わりに衣裳部熊谷が写っております)。


船やら何やら色々作り(写真を撮られる間もなかった演出部の代わりに衣裳部熊谷と飯野が以下略)


小屋入り後の劇場のロビーでも作業は続けられました(この2人は小屋入り後の強力助っ人ふくちゃんとあかねさんです)。


ロビーでは衣裳作業も行われ(この2人は小屋入り後の強力助っ人花島さんと大久保さんです)


こんなに美しい衣裳たちが出来上がっていきました。


舞台上にはリアリティー溢れるスリラーが現れたり


なんとも神々しい方が出現したりしました(この画像を待受にすると幸福が訪れるそうです)。


ゆず子からの差し入れ、「小栗判官」と「照手姫」は




ご本人方もお気に入り!(小栗さん亡くなっちゃってますが)


このお二人、たいそう美しく、素晴らしいお二人でしたが、


美しい姿よりも、こっちの方が更にぐっときたりします。


三郎役として、大石さん演じる父・横山と共に小栗毒殺を企てたと思ったら


なんとも魅力的な太夫になったりして笑わせてくれたうるおさんは、


物語を中心となってぐいと引っ張る説経師がとても素敵でした。


特別な席でしか体験できないこのアングルで登場する藤沢の上人とその弟子。


大石さんがこの上なくかっこいい、心奪われるシーンだと思います。


たくさんの魅力的なキャラクターを、柔らかくもどっしりと包みいざなってくれた楽士さまは、高良さん、真理子さん、林田さんのお三方。


衣裳姿も大変お似合いでキュートでした。


そして舞台に登場したキャラクターのみならず、ここに書ききれない、載せきれないたくさんの方々のお力添えや、熱い思いがひとつになったこの舞台、『おぐりとてるて』。書ききれないことが悔やまれてならぬ程です。

演出の立山ひろみさんは、稽古が始まる時に、「この作品が出演者全員の代表作と言えるものにしたい」とおっしゃっていました。出演していなくとも、その言葉を聞いたときには強く感銘を受けました。そしてその想いがみんなにしっかりと届いた舞台であったように思います。
この想いが、お客さまにも届いていると信じています。

この物語、俳優座劇場での新作初演は幕を閉じましたが、2015年12月には各地を旅することになります。
今回関わってくださったみなさま、劇場に足を運んでくださったみなさま、応援してくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
この「おぐりとてるて」が、みなさまに末永く愛される作品になりますように。


そうして、再び「生きている」人々のもとへ
流れ行け「おぐりとてるて」。物語よ。




写真:姫田蘭さま、座員のみなさま
文章:熊谷みさと





おまけ



道路を走る鬼鹿毛!

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