ピノッキオの現場から・タイ編 萩京子

5月22日(火)

ハノイからバンコクへの移動日。
朝食、フォーの食べおさめ。
旧市街の街並みも見納め。
車で空港へ。
お世話になった基金の榛澤さんと、お名残惜しくもお別れし、一同7人はバンコクへ。
これまで二回公演し、それ以外にも、事前の調査・宣伝ツアーなどもしたので、
何回も来たことのあるバンコクに降り立ったときは、なつかしいおなじみの場所へ来た、
という気持ちがした。
ほっとした感じ。
今回のツアーの仕掛け人ともいうべき、国際交流基金の内田裕さんが空港に迎えに来てくれていた。
これまでの2回の公演でお世話になったドアンチャイさんも。
車で、基金の事務所に隣接した今回の公演場所であるホールへ向かう。
運転手のチンダーさんも、すっかり顔なじみ。
実はこのチンダーさんは、林光さんに似ているのです!

さて会場は、今回のツアーの中で一番小さい。
お客さんの数は正確には読めないが、キャパいっぱいの200名くらいは来ると思うと言われる。
問い合わせも多いそうだ。
うれしい情報であるが、平戸間の空間なので、演技エリアをどれだけとって、
客席数をどう確保するか、という点が少々難しい。
前1列座席をとって、ゴザ(このゴザは、6年前も『ロボット』公演のために
買ってもらっていたものだ)を敷いて、桟敷席を作ることにした。
荷下ろしだけのつもりが、かなり準備を進めることができた。
会場から徒歩3分くらいのところにあるホテルにチェックイン。
それぞれ、自由な時間を過ごす。
昼寝をする人。
プールに行く人。
その他いろいろ・・・。
私は、ハノイの20日、21日分の座日記を書き込み、送信。
夜は、基金主催でウエルカムパーティーをしていただいた。
さっそく、タイ語のレッスンが始まった。
ベトナム語を終えて、タイ語が簡単に感じられる、などと言っていたのだが、
やっぱりたくさん直されました!

パーティーの後、萩、岡原、山崎はタクシーでマッサージに出かけました。
マッサージは数多くあれど、安くで上手な「ワット・ポー」という店。
有名なお寺の「ワット・ポー」の支店のようなものか。
1時間で全身ゆるんで、ホテルに戻ってこてんと寝ました。

5月23日(水)

午前10時に会場に入り、舞台監督の久寿田さんは照明つくり。
役者は語学。
私は、ジャカルタの新聞に批評が出たので、辞書を片手に読む。
ゲネプロ(フルドレス・リハーサルと書いてあった)を見ての記事だったが、
丁寧に書いてくれていた。
最後のメッセージが観客に届く、と書いてあったので、うれしい。

午後13時から、場所を決めながらはじめから終わりまでやる。
会場は劇場ではなく、大きい会議室のようなもの。
映画の上映会のなどがよく行われている。
私たちは6年前の『ロボット』公演のとき、レクチャーコンサートをしたので、
様子はわかっていた。
ホテルの宴会場などによくある高さ20センチくらいの舞台があり、
その奥行きが狭いので、その舞台だけでは演技できず、平戸間の部分と併せて
演技の位置を工夫しなくてはならない。
最後のクジラのシーンのところまで、細かくやって、17時。
19時開演。
大入りで、桟敷には大人も子供もぎっしりである。
舞台が客席と近いということもあり、観客との関係がとてもホットな公演となった。
おもちゃの国のシーンでは、シャボン玉にひきつけられたのか、こどもが舞台に出てきた。
客席はもう大受けである。
その子の親も、引き戻しに来ないし、私たちもそのまんま。
まさしく、おもちゃの国にピノッキオが引き寄せられたようなものだ。
しばらく楽しんで、自分の席に戻っていった。
そんな楽しいこともあり、公演は大好評。
ロビーではたくさんの人に声をかけられた。
『ロボット』も『ゴーシュ』も見ましたよ、と言ってくれた人もいた。
ここバンコクでも、こんにゃく座が根付いてきている、ということを感じる。
仕掛け人の内田さんも、「よかった」と言ってくださった。
よくぞ、新作を受け入れてくださった、と心から感謝。
今日もまた、とてもうれしい日となった。

0 件のコメント: