ピノッキオの現場から・タイ東北編 萩京子

5月24日(木)

いよいよタイ東北ツアーが始まる。
今朝、基金の内田さんからうかがったことだが、タイ東北地方から多くの人がバンコクに働きに出ているということだ。レストランで働く人、タクシーの運転手、マッサージをする人など、すでにたくさんの東北地方出身の人と出会っているはずだ、という。

10時ロビー集合。おなじみのチンダーさん(基金の運転手さん)運転のバンに、こんにゃく座一行7名と、基金のドアンチャイさん、ラワンさん、計10名が乗る。
荷物車に5つのドンゴロスと、トランクふたつ、そして個人のリュック等が積まれる。別に、調律師さんも乗せたピアノ運搬車が、これからの東北地方3カ所での公演に同行する。ナコン・ラリャシーマー→コーンケン→ウドンタニというコースで北上し、国境を越え、ラオスへ入る。今日は、ナコン・ラリャシーマーへ向かう。コラートとも呼ばれるイサーン地方。タイの道路は整備されていて、1号線から2号線へ、快適なドライブだった。車で移動する旅は、こんにゃく座の原点だ。車に弱いさとみは、酔い止めを飲んで、おとなしく眠っている。

お昼は湖のほとりにある「海の家」みたいなレストラン。えびとお魚とトムヤムクン!風が気持ちよく吹いて、暑さを感じさせない。白い牛が草を食み、ニワトリが走り回っている。ひととき、バカンス気分を味わう。目的地のラチャパット大学に、私たちは順調に着いたが、荷物車は遅れている。公演は明日。会場はラチャパット大学の講堂である。大学内にホテルがあり、そこに宿泊する。今はまだ夏休み(!)なので、大学内は静かである。6月から新学期が始まるそうだ。講堂の使用可能時間に限りがあって、荷物が遅れているので、今日は荷下ろしはできない。だが、とにかく講堂を見に行く。8階!エレベーターはあるのだが、とても小さい。ピアノを載せられない可能性がある。8階まで階段で上げるのは、大変だあ! このナコン・ラチャシーマーの公演をサポートしてくれているのが、日本語学校の代表のパリタさん。彼女のご主人が軍人で、ピアノ運びに若い衆を20人ほど、よこしてくれるという。頼もしいことである。

夕方の16時から18時までフリータイム。お散歩する人、お昼寝する人など。 夜はパリタさんご夫妻、お子さんおふたり、それから日本語学校の先生おふたりとご一緒にお食事。日本語学校の先生のひとりは日本人、大阪出身のダイスケさん。大阪出身の岡原と大阪弁で盛り上がる。

ホテルに戻り、岡原の部屋で、運転手のチンダーさんの三弦のギターのような楽器(確か、ピンという楽器だとうかがったような・・・)と、笙のような笛を演奏を聴く。チンダーさんの笛に合わせて、三弦を借りて適当にかき鳴らし、にわかのセッション。ドアンチャイさんの歌も聴けたし、踊り出したくなるようなフレーズもあり、とても楽しかった。

ここのホテルのシャワーは、とても恐ろしかった。各部屋のシャワー室に、小さなガス湯沸かし器のようなものがあり、そこからシャワーが直結している。どこをどうしたら、お湯が出るのか?皆、苦労していたのだが、勇気のある岡原がいち早くやり方を発見。どう見てもガスの元栓のように見える栓をひねるとお湯がいきなり噴き出すのである。いろいろなことを学ぶ日々である。

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