『夏の夜の夢』稽古場日誌 2/7萩京子

「夏の夜の夢」稽古場日誌 2月7日 萩京子

劇場に入って3日め。
今日は衣裳・メイクありで、ていねいに、場所を決め、明かりと合わせ、音をチェックし、1幕から5幕まで全幕進めて行きました。
楽士の面々も衣裳をつけて、高いところに陣取っています。
高いところの苦手なHさんのことをみんなで心配していましたが、大丈夫そうなようす、一安心です。
稽古場より広くなった空間、切り穴もあるし、上からもいろいろ仕掛けがあり、「おお!」と思う瞬間がたくさんあります。
稽古場で10回以上通し稽古をしてきたとはいえ、劇場に入ってから初日の本番までの時間は、変更したり修正したり、臨機応変な対処を必要とします。
今日は振り付けの范先生もお出でになり、各場面チェックしてくださいました。
1997年以来、何度も何度も使っている世田谷パブリックシアターですが、舞台の使い方によって、空間の感じが変わり、見え方も音の聞こえ方もずいぶん違います。
3日めともなると、少し慣れて来ます。
旅公演ではほとんどが一日で、その劇場の空気に慣れなくてはいけないのですが、慣れたころにはさようならで、まれには慣れないうちにさようなら、となる旅のさだめとくらべると、東京での本公演は、多少ありがたいわけですが、本当はもう少し長く、本番の舞台でリハーサルしたいものです。
特に新作の照明づくりは大変です。
元さん曰く、「日本は照明に時間をかけなさすぎるよね」
それは多分、たいていの公演が劇団主催で、劇場を借りて公演を行うためで、劇団にとって劇場費が高いから、思う存分できない、というからくりだからだと思います。
自分の劇場だったら10日間くらい舞台稽古したいですね。。。
こんにゃく座は劇場に入って4日めに初日をもってくることが多いですが、いつもあと一日ほしいと思ってしまう。稽古もあと一日ほしい、作曲もあと一日ほしい、と、なんでもかんでもあと一日ほしいと思うわけですけど。。。
昨日はその明かりづくりの一日でした。
役者・楽士ともに場面ごとに照明をつくるのを待ちつつ、少しづつ切れ切れに進めて行くのです。
普段はそういう場合、ピアノのみで進めるのですが、今回は変則的な空間に慣れてもらうため、全楽士立ち会いでした。
そういう一日を経たうえでの今日。
13時から21時までたっぷりと舞台稽古をし、終了。
出演者、演出家、各スタッフ、舞台の裏方、照明さん、衣裳さん、制作、いろいろな仕事をしている人たちが、ものすごく緻密な動きをするこの一日。
俯瞰して見ていたらおもしろいだろうなあ。
期待を不安が入り交じるこの一日は、舞台にかかわる仕事をしていて、一番興奮するときです。
いよいよ明日は初日です。

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