オペラ『アルレッキーノ』稽古場日誌(1月30日):神田成美

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逃げるー追うーまた逃げるーまた追う
考えてみると 私たちもまた
うまれて このかた これの繰り返しを
し続けているだけじゃないのか。
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「今」という境遇からトンズラしたい!なんて
誰しも一度は思ったことがあるでしょう。
けれど思うばかりで、現実はなかなか逃げられないもの、ですよね。

ゴルドーニの『二人の主人を一度に持つと』を中核に、その物語とそれを語る旅芸人(ザンニ)の世界とが描かれている加藤直・台本の「アルレッキーノ」。冒頭の言葉は、その二重構造が混じり合う中盤で、ザンニとズメラルディーナが歌う一節です。今回のキーセンテンスであり、「私」が大好きな所でもあります。

私?
―いったい私は誰か?―
はい、今日の座日記を担当します、演出助手の神田と申します。
前口上はこのくらいにして

アルレッキーノの稽古はいよいよ佳境に入り、今日は最終章までの初・通し稽古でした。

演出の加藤直さん、作曲の萩京子さん、照明の服部基さん、舞台監督の八木清市さん、舞台監督助手の松村若菜さん、照明オペレーターの奥山愛弓さん、楽譜係のちゃみや演出部、衣裳部、制作部、その他見学のみなさんに見守られ…



緊張気味の出演者を和らげるためか、「お客がわくわくするようなチューニングを」と楽士に注文する演出加藤さん。それに即座に応える楽士4名のあざといチューニングにより、笑顔のうちに通し稽古がスタートしました。
・・・1幕・・・
みんな喉に力が…。幕間休憩で、すかさず加藤さんが「喉痛めるぞー」と注意喚起。
・・・2幕・・・
だんだん調子が出てきた?

そして終了。

制作の忠地さんが駆け寄り、通し時間を見てにっこり。
出来栄えは上々?ええ、もちろん秘密です。
とにかく、13名のキャスト(Aチーム)と学士の4名による「アルレッキーノ」の全貌が明らかになりました。明日からの稽古でまだまだ進化するはずです。


昨年7月のコメディア・デラルテの勉強会・オーディションにスタートし、歌と言葉と身体を追求する!と決まったプレ稽古(12月)から早2カ月。目指すは「自由なオペラ」。その成果やいかに?劇場でお待ちしております。




おまけ。楽士反省会は、楽しく飲みながら。

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