本日は小屋入り3日目です。
昨日の続きからの場当たり稽古と、ゲネプロが行われました。
本番さながらのゲネプロは、数々の珍事件が起きつつも、ぐいぐいと進んでゆきました。劇場に入ってからもどんどん進化しているこのオペラ。たくさんの方に観ていただきたい!と心から願うのですが、既に前売りは14日の昼夜の数枚を残してほぼ完売状態です(10日現在)。前売りが完売しても当日券は各回必ず出ますので、まだチケットをゲットされていない方は当日券を狙ってくださいませ!
素敵な衣裳や舞台の写真をたくさんお届けしたいのですが、なんだかもったいないような気もして、劇場でびっくりして欲しい!という気持ちでぐっと我慢して、突然ですが、このあたりで侍烏帽子の作り方を紹介したいと思います。
この人たちがかぶってるやつです。
稽古が始まって衣裳部も活動を始めた頃、どのような因果であるのか、侍烏帽子を作る係になったのです。現代の日常には登場しないアイテムですが、テレビなどではちらほら見かけるし、ネットで探せばコスプレイヤーさんとかが作り方アップしてくれてるだろう、大丈夫大丈夫!…と思っていたんですよ。甘かったですね。
前置きが長くなりましたが、始めます。
「侍烏帽子は立烏帽子を折って作る」という情報と、完成形の資料をヒントに、とにかく形をつくってみます。
ちなみに立烏帽子はこんなやつです。
(これも見よう見まねで作ってみました)
適当な素材(私はポスターの裏紙にしてみました)で適当に立烏帽子を作り、なんとなく折ったり切ったりしながら調整して形にしてみます。
侍烏帽子、こんな感じ?
これを開いて型紙を作ります。
こんな感じ!
折り位置や角度など色々調整が必要なため、ここまでが一番大変でした。
資料によると、烏帽子は和紙で作られ、漆を塗って固めていたんだそうです。(薄い布でつくられることもあったみたいですが)
そこで今回も紙で制作することにチャレンジしてみました。
そして私はiPhoneユーザーではあるけれどもiPhoneを使いこなせていないのだということを改めて思い知らされました。というのはですね、「おぐりとてるて」の衣裳デザイナーである太田雅公さんから、突然FaceTimeがかかってきたのですよ。「かける」という言い方でいいのかどうかすらもわからないのですけど、要するにテレビ電話ですよね、FaceTime。初めて使いました。そして「紙を傷めずに綺麗にシワを入れる方法」というのを教えていただいたのです!いやあ、感動しました。遠くにいながらにして作業のお手本をやって見せてもらえる。文明の利器ですね。この日私はFaceTimeの便利な使い方と、紙の加工の仕方、2つの大きな新知見があったわけです。また賢くなっちゃいました☆←
…話がそれるとどんどん長くなってしまうのでほどほどにしたいと思います。
とにかく教えていただいた方法で紙をしわしわにしていきます。
芯になるもの(木の棒などが良いそうですが、見当たらなかったので生地を巻いてあった芯を使いました)に紙を緩めに巻き付けます
それを縦にしてぐしゅーっとしちゃいます(端から端までくしゃくしゃになるように!)
それを丁寧に戻し、広げます。1回だとこんな感じにウロコみたいになります。
縦横斜めの8方向で、この「巻きつけてぐしゅーっとする」をやります
こんな感じ。丁寧に広げたらこれで紙の準備はOK
なんだかこのペースだと終わりそうにない気がしてきたのでざくざく進みますよー
先ほどの型紙から接着芯を切り、例のシワシワにした紙にアイロンでしっかりと貼り、それを両面作ってミシンで縫い合わせます。かぶりくちになる部分は折り返すので縫い代を5cmくらいとっておきます。
貼って縫って端を折り返したところ
(紙の色が白茶黒と色々に入れ替わりますが、何も計画せずに写真を撮ったためです、ご了承くださいませ。普通は大体黒だと思います)
そこを裾上げテープなど(伸縮性のあるものがよい)でとめます
カーブが急なところに縫い目ギリギリまで切り込みを入れていき
丁寧にひっくり返すとこんな感じ。これを
こう折って
ひっくり返してこう折って
綺麗に折り目をつけていきながら
こんな形にします
一番最初に試しに形を作ってみたときのものを参考に、折り位置のしるしを型紙につけておいて、それにあわせて折るとやりやすいです。
あとはこの形をキープしてくれるように適当な位置を縫い止めれば完成。
こんな感じ
そして必要に応じて内側に帽子テープを縫い付けたり(ミシンでOK)
ゴムや紐をつけたりします。
素晴らしい出来栄え!!
このように試行錯誤を重ねて本日まで参りました。みんなで毎日少しずつ成長しながら作ってきたオペラ「おぐりとてるて」、いよいよ明日、開幕です!!
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