オペラ『白墨の輪』稽古場日誌(1月21日):大石哲史

今日は坂手さん(演出)がお休みなので、音楽監督の萩さん中心の立ちながらの音楽稽古。
一度立って稽古したものをもう一度音楽に絞って稽古していくのは、物凄く重要不可欠な稽古なのです。それに、役者も見逃していた新たな感情、新たな 間、新たな相手役との交流、新たなピアニストとの阿吽を発見する事が出来るわけです。
例えば、領主夫人というエキセントリックなキャラクター作りに豊島は果敢にチャレンジしているのですが、ここ数回の立ち稽古で夫人の陰鬱な面を強く出そうと歌い演じてました。あっこのやり方は誰もやってない夫人像が見えるなあ、面白い!と私は思ってたのですが、音楽監督から「それでは音の迫力が全く感じられない」と一刀両断な駄目出し!
そうなんです。芝居についつい没頭していくと、音が欲しているスケール(あるいは情感作り)が見えなくなる事がままあるのです。
この日、音楽監督の叱咤がたくさん飛び、自分たちの歌を見直すとてもいい時間が過ごせたのでした。

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