相原智枝出演『ピアノデュオ・おしゃべりなピアノたち』(1月21日):久保田由佳里

1月21日。朝から散らついた雪は間もなく冷たい雨に変わり、今日はとてもとても寒いです。
夕方になり、何年かぶりに荻窪駅近くの杉並公会堂・小ホールに向う。今夜は、相ちゃんこと相原智枝さんが、あるコンサートにゲスト出演する。
題して
[ピアノデュオ・おしゃべりなピアノたち]
~2台のピアノが歌う魅惑のオペラ


なんと2台のピアノの演奏による、歌のないオペラ音楽会。
こんなフシギな演奏会をプロデュースするのは恵川智美さん。座は長年お世話になっているが、最近では『銀のロバ』の演出を担当していただいている。
相ちゃんは、語りをするという。
興味津々の中、幕が開く。

第1部は《ドン・ジョバンニ》より、ベストメロディの演奏と《セヴィリアの理髪師》メドレー。セヴィリアの途中、相ちゃんはキモノ姿で登場。演奏する2台のピアノの前を横切りコミカルな演技を披露(o^^o)

さて第2部は、ご存じプッチーニの
《蝶々夫人》~スズキ日記
構成は恵川さん。相ちゃんは語りで出演する。ん?スズキ日記 ?


《マダムバタフライ》の主人公 蝶々さんの小間使い・スズキにスポットを当てた、オペラ版スピンオフ作品。何だかそれだけでじゅうぶん面白そうな。
もし、スズキが日記をつけていたら…スズキは蝶々さんの人生を真近でみていた、まさに生き証人。《マダムバタフライ》の音楽とともに、スズキの回想録が読まれていく。


相ちゃんは、ここでもアンティークの渋い着物を着ている。物語から抜け出たスズキが相ちゃんに乗り移ったかのよう。
終盤、蝶々さんはスズキに、自分の幼子をピンカートン夫人に託すように命じ自刃するが、それを予感するスズキの「わたしは本当は蝶々さんのそばにいたかったのです」という言葉が、とても哀切に胸に響く。
相ちゃん。まさにハマリ役。ステキでしたよ。

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