歌芝居『魔法の笛』稽古場日誌(8月23日):大石哲史

1日休んで声も楽になり、さあ!と張り切って家を出た、が、今日は演出加藤さんがお休みの日だった。役者の性か、こういう日はモチベーションを保つのが大変なものだ。その反面、いつもより冷静にやれる事により、ああ、ここ随分力んでいたのだなあ、独りよがりだったなあ、とよく気がつく日でもある。そうだな、いつもよりも頭を働かせて気楽にやろう!と稽古場に一時間前に到着すると、いつものように三人の少年チーム(声の高い方から、ゆず、チャミ、まどか)がハーモニーの稽古をやっている。気にしないように自分の準備を始めたが、あまりうまくいってない様子なので、気になって気になってつい、声をかけた。
♪ひーとは、かみーとなーらーぶー というフレーズがうまくハモらない。「一人ずつ歌ってみて!」♪ 聞いてみると、三人ともそんなに音程も言葉も悪くない。「じゃあもう一度一緒に歌って!」 ♪ 原因発見、まどかの低い音、ならぶの、らの音は低いシ・フラットの音が他の音と溶け合わないのだった。ソロを歌ったのであれば、その歌いかたで断然いいのだが、この三人の狙っている天使のような、小悪魔のような音楽には邪魔なのだ。そこで、その音を地声の分量を減らし、頭声を増やして歌ってみると、なんと天使降臨!皆さま、当日の三人の渾身のハーモニー、お楽しみに。

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