ナベさんを音楽で送る会 (1月23日):久保田由佳里

1月23日。その日は夕方から雪が散らつくかも…という予報の、とてもとても寒い日でした。
こんにゃく座の稽古場では「ナベさんを音楽で送る会」がひらかれました。
2016年1月11日、私たちの大先輩である川鍋節雄さんは帰らぬ人となりました。
まだ65歳。病を得て長く闘病をつづけながらも、こんにゃく座の舞台に立ち続けてきました。
入座から42年。歌役者として、こんにゃく座の活動を支え、ひとすじに歌い続けてきたナベさん。その旅立ちを音楽で飾りたい…そんな思いからこの会は行なわれました。
ナベさんのご家族、駆けつけてくださった多くのみなさま、そして座員。160名あまりでナベさんを見送ることができました。


2月公演の稽古も大詰め。そんな合間をぬって役者も制作メンバーも準備をすすめました。
いつもは舞台監督でお世話になっている、舞台スタッフの八木清市さん・久寿田義晴さんにもご協力をいただきました。
そしてナベさんのために、たくさんのお花とお酒と、美味しいお料理を届けてくださったみなさま。本当にありがとうございました。





会場にはナベさんの歌声が流れ、メインのAスタジオの正面には、大きなナベさんの写真。とってもオトコマエの写真です。



小さいBスタジオのほうにも、ナベさんの様々な写真が壁一面に貼りめぐらされ〈ナベさんの部屋〉となりました。いろいろな時代の、様々な表情のナベさんに会えました。




こんにゃく座の座員による合唱「希望の歌」で開式。黙祷後は、ナベさんの奥さまで元座員の川鍋照さんが書いてくださった、ナベさんのこれまでの歩み が紹介されました。
おわかれのことば は、音楽評論家の小村公次さんからいただきました。

それからみんなで、ナベさんの出演した数々の舞台を映像で見ます。ついつい笑わずにはいられないナベさんの演技・なんておおらかな歌声。映像編集をしてくれた姫田蘭さんも、作業しながら涙と笑いの両方だったそうです。
献杯は、ひとりひとりがナベさんとお酒を酌み交わす形がとられました。最近は飲めなくて残念でしたが、お酒の大好きだったナベさんのこと。きっと喜んでくれましたよね。

そして音楽で送る…会ですもの。たくさんの歌や演奏がありました。元座員の佐山陽規さん・佐山真知子さん。そして竹田恵子さん。歌と一緒に、思い出のお話は尽きません。私たちも伺いながら泣いたり笑ったり。ナベさんのお人柄が偲ばれます。
志村泉さん・寺嶋陸也さん・橋爪恵一さん・姫田大さん・山田百子さん・関直子さん・吉村安見子さん・大坪夕美さん・湯田亜季さん・榊原紀保子さん。みなさん、心を込めたステキな演奏をありがとうございました。

もちろん座員もたくさん歌いました。ソング、そして合唱。「しぬまえにおじいさんのいったこと」「ねがい」「飛行機よ」「うた」……みんなで歌った、ナベさんと一緒に歌った歌たちです。ぐっと、ぐっと胸にきます。
ナベさん。まだ信じられないけど、信じなくないけど。
ナベさん。本当に歌が好きだったナベさん。
一途に歌い続けてきたナベさん、すごいです。
一緒にオペラの舞台をつくれてよかったです。一緒に旅ができて楽しかったです。



写真:姫田蘭


ナベさん追悼映像(映像編集:姫田蘭)

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