オペラ『おぐりとてるて』はとにかく登場人物が多い!
今回は、その中で、それぞれ自分のやる役から1役を選んでいただき、「その役の見所・こだわり所」を教えてもらいました!
※それぞれが選んだ役を緑色で表示しています
【民衆一、兼家の妻、視る目とうせんほか/山本伸子】
視る目とうせんは冥界大好き、閻魔大王が大好きです。
ところが閻魔大王は小栗と共に毒殺された後家来を自分の脇立にして、近くに置いておこうと言い出すから大焦り。
しかし閻魔大王の意には逆らえないので、「最初が肝心でぇっ!」と、めいいっぱい威張って先輩風吹かす…
そんなことしてます。
【民衆二、照手姫/鈴木裕加】
照手の歌は私の好きな音域より少し低めに書かれています。
が、それをものともしないような、しっかりと意思を持った歌を歌いたいと毎回格闘しています。
【民衆三、千手観音、姥ほか/彦坂仁美】
照手姫をお守りする千手観音を歌った直後に照手姫を売り飛ばしてしまう姥を演じます。
1役選んで見所を…ということなのですが、千手観音で神々しさを出し、姥で物凄い意地悪さを出す!
「こいつ、人買に売ってやる~!」という台詞でお客様にコワ~っと思って頂きたいです。
【民衆四、大蛇、宿女将ほか/花島春枝】
2幕に登場いたします。照手姫が売り飛ばされたお店の女将で、照手の美しさに「これは良い商品になるぞ」という欲望と、「んまー、何て美しいのっ」という女としての嫉妬心を抱く、実に人間味あふれる女性です。
威張っているようで、照手の言葉にほろりとほだされる場面もあったり。
短いシーンで、その万華鏡のような魅力をお伝えできたらと思います。
【民衆五、三郎、村君の太夫ほか/髙野うるお】
悪知恵に優れていて、小栗を罠にかけるための策略を思いつく。
しかし、実は、父親の方が、なお一層恐ろしい人間であり、それに気づいた三郎の動揺に、小心者ぶりがにじみ出ている。
あかされるのは1幕の終わり頃。お見逃しなく。
【民衆六、後藤左衛門、鬼鹿毛2ほか/沢井栄次】
照手姫がいかに美女かを語る口上はいろいろ工夫しているのでお楽しみに。
【民衆七、小栗、餓鬼阿弥陀仏/島田大翼】
おぐり役も5年めになりますが、餓鬼阿弥陀仏のとこの芝居をどんな具合にしようか常に考え続けています。
最近ではツバメの雛とか、ヒモムシとか、ロイコクロリディウムみたいな演技が出来たらいいなあと思って、色々試しています。
あと『銀のロバ』とかでは赤ん坊の泣き声を「おぎゃあ」と言ってますがおぐりの時には「いがいが」と言っています。
機会のある方は頑張って聴き分けてみてください。
【民衆八、横山、閻魔大王、藤沢の上人ほか/大石哲史】
閻魔大王をかなり作り替えたいと思う。
今までは、閻魔の勝手なイメージから、大きな声、そしてもうこの仕事にかなり嫌気がさしている、どうでもいいと、やってきたつもり。
今回は、何百年やっていてもこの仕事はやめられんのう、それに、小栗についてきた家来に一目惚れしてしまった、こんな感じをピアニシモの声を多用してやってみたいなあ、と思っております。
【民衆九、小栗の家来、上人の弟子ほか/北野雄一郎】
ひたすら小栗に仕える。
小栗の魅力を引き出すために頑張ってます。
【民衆十、侍一、万屋主人ほか/富山直人】
4場に一瞬だけ登場する、常陸の国に流れ着いた小栗の家来。
その前の場面に民衆で出た後退場。その後、およそ1分30秒で侍への早替り。
自分で言うのも何ですが、中々のスピードです。
その早替りの後、舞台下手から登場。
場面転換をして歌って退場するまで、およそ50秒。アッと言う間にいなくなります。
見事な早替り~登場~退場をどうぞお見逃しなく。
【サクソフォン/林田和之】
「おぐりとてるて」ではソプラノ、アルト、テナー、バリトンと4種のサクソフォンを使用しております。それぞれの楽器の音域の違いをお楽しみください。
また、サクソフォンという楽器は表現力豊かで大きな音が出るように開発された楽器ですので、普段の音量で吹くと、たちまち歌役者さんの声をかき消してしまいます。
ですので、我慢しつつ(この我慢がとてもしんどいのです!!!)、美しい音で、歌役者さんに負けないように歌っています!
涼しい顔で吹いてるように見えるかもしれませんが、その辺りもお楽しみください!
【ピアノ/榊原紀保子】
サックス(1人で4本!)、打楽器(1人でものすごいたくさんの!)、そしてピアノ(1人でひとつ)の3人で、指揮者無しで舞台上の歌やお芝居に合わせて音楽を奏でお話を進めていくアンサンブルを聴いて頂けたら嬉しいです。
個人的にはてるての心の動きを繊細に表しているピアノだけの部分の音色には特にこだわっていたいなと思っています。
【打楽器/高良久美子】
シンプルな色味、舞台セット。
沢山の場所や時間を移動しますが、想像力がかきたてられ、色々な景色が次から次へと見えてきます。
音楽とそれを奏でる楽器の組み合わせが見事だからと思います。
衣装、照明と共に音楽が色彩を担う。聴き所です。
個人的なこだわりは、楽器の選択です。例えば、太鼓3個、低中高と指定されています。
我が家には山ほどの打楽器があり、その中から作品にあうものをあれこれ考える。
その作業は楽しくて幸せなのです。
【演出助手、舞台スタッフ/西田玲子】
理想の女に出会えないし、雨だし、うーん、退屈だ、というおぐりくん。
初演から見てきて、嫌なやつだと思っていたのに、それなのに…。
今回のツアーのこのシーンでおぐりくんにメロッとなってしまいました。
【舞台スタッフ/壹岐隆邦】
和物オペラという事で、竹を使っていろいろな小道具を作りました。
説経師が鳴らす、この"ささら"も、ノコギリ1本で作った一点モノ。
形はいびつだけど、音は良いのでちょっとだけ耳を傾けてみてください。
(まとめ、写真:壹岐隆邦)
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