オペラ『遠野物語』まとめ:大久保藍乃

オペラ『遠野物語』。
17日に無事に終演いたしました!!

あぁ、まだ終わった気がしない。
写真を集めて見ているとまるで今朝の出来事のような…。
っと言うのはちょっと言い過ぎですが、楽しい写真のアレコレを座員の皆様から集めました★

今朝の出来事と言えば。
朝ごはん。

朝ごはんのシーンの稽古をしながら夕飯を食べてた島田さん。
ノヨを演じる梅さんの、マヨイガの歌の録音を流しながら、楽譜も確認しつつ、食べるスピードや量の実験中なのです。量も食べる物も色々試して決まったのです。


こうやって、演出部の静香ちゃんが毎公演、しっかり準備してくれます。
だいたい1幕と2幕の間でメザシを焼き出します。いい匂いが楽屋に広がります。





今回、食べるシーンがたくさんありました。全部わかりますか?
まずは、

みかん。
物語の最初の方。身投げした少女が出てくる前、行商人達がワイワイと出てきて、
「みかん食うか?」「おう!寄こせ!」
ってセリフがありましたねー。
間違って食べられないように小道具と書いてキープしてあります。


まんじゅう。ではななくはんぺん!
ハンペンに行くつくまでは大変長い道のりがあったのです。
こちらの座日記にもこちらの座日記にも登場しましたね。
ふ菓子でやってみたこともあったなー。
こちらも色々な実験の賜物です。




そして、

おにぎり。
身投げした少女が食べる、おにぎりは少女役玲子さんの手作り。
大きさや形などもたくさん研究していました。
オカカ入りでごま油も入ってるとか。
「玲子さんのおにぎり、ほんとに美味しいんだよねー」と喜善役の北野さんが言っていたとかなんとか。





こんにゃく座の人は色んなもの作ります。

私は…食べ物じゃないけども、オクナイサマのシーンの田植え用の苗を作ってました。


これも結構消耗品で、毎回田植えが終わるとメンテナンスして、新しいのに変えたりしていたんですよー。


白石さんが白い石を作った話しも座日記に載りましたね。

黒石バージョンも写真があるので載せます。



飯野さんは衣装部。
「編んだ蓑に丸みを持たせるためにトルソーに着せて上から着物を羽織らせたやつ。にもたれる製作者薫」というタイトルの写真。
写真だけだと、飯野さんのこの笑顔の向こう側が伝わらなそうなので、タイトルと合わせてご覧ください。
愛ある衣装がたくさんありました。


闇笠と言われていた闇達の頭。
こちらも衣装部さん手作り。
写真は、たくさん並べられていた闇笠から自分の闇笠を選んだ日の写真。
自分の動きにあった笠を選びました。
闇笠もそれぞれ個性があって、最後の方には闇笠だけでも誰のかわかるようになりました。

ちなみに、本物ができるまではそれぞれの仮小道具。

笠も個性的ですが、闇の表情も良く見えますね。闇はこんな顔してました。







いろんなものを作る人と言えば…


ポージング水野。こと島田大翼さんです。


これは囲炉裏の蓋を作っています。
稽古場では最初開けたり閉めたりの蓋に悪戦苦闘。
島田さんがサッと蓋を完成させてきたときは拍手が起こりました!すごい!

これは…。


蓋を作ってるんじゃなくて仕掛けですね。
おかわりをもらおうとしてついうっかり囲炉裏に手を突っ込んでしまった時に灰が舞うんです。
粉が仕込んであるんです。こんな仕掛けがあったんです!


そして、これも島田さん作。

通称・獅子神様と呼ばれた獅子も島田さんとチャミさんの力作!


製作中の写真。
うわぁ、なんか、かわいいぞ。


舞台ではこんな素敵になりました。


獅子のお二人、1月末からは毎日朝早くから汗だくで獅子踊りのお稽古していました。



さて、こんなシーンもありましたね。

山女が空中を駆けていくシーン。

障子の向こうではどうなっていましたかというと……。
山女お稽古中の写真を。


まずは障子の中で衣装替え。
前から見るとシルエットになっていたと思います。

そしてシルエットが消えると、ほんの数秒で藍乃を持ち上げます。

歌役者一背が高い壹岐さんに肩車をされ、両サイドからはマロさんと冬木さんに帯で支えられています。


後ろの玲子さんは羽織をパタパタしてます。
写真には写ってないけど演出部も3人いて、障子を開けたり扇風機や団扇で紙吹雪飛ばしています。
「それだけです」なんて言えないほど、舞台裏ではたくさんの人があの一瞬、ここにいたのでした。笑。


お稽古でOKもらって一安心の様子。


舞台裏と言えば、


さまざまなところにサンダルが脱ぎ捨てられ
(参考:1枚目まどかさん。2枚目北野さん。スマフォも一緒)


さまざまなところで加湿をしています。





こ、これはっ!!!!?
これが、かの有名なアクロバット加湿だ!!!!


……っとその横でアクロバット加湿に憧れている人。


お稽古中も加湿。
もうなんか面白すぎます。水野さん。




楽屋でもポージング水野さん!

さぁ!貴方もすっかり水野ファンになってきましたね!

っとここで喜善ことイケメン北野さんの写真を。

ちゃっかりカメラ目線のチャーミングな喜善さん。


ナチュラルに女の子口説いてる感じの喜善さん。


まぶしい笑顔の喜善さんのアップ。


水野さんと喜善さん。
本当に素敵な二人でした!!


柳田国男ことうるおさんも揃って3人の良い男!
あぁ、向こうには芳公馬鹿が……。


お稽古写真も、向こうのほうに芳公。


一人で黙々芳公。
芳公のシーンの音楽は各楽器が少しずつズレながら複雑に入り組む“フーガ”という形式が使われています。
なのでこのシーンは通称【芳公フーガ】なんて呼ばれていました。
めちゃくちゃかっこよかったです♪


座日記に載せられていなかったのですが、2月2日は…


梅さんのお誕生日!
おめでとうございますのお祝いをしました(・∀・)
いつまでもチャーミングで素敵な梅さん。
恋い焦がれる娘の役をやったりおばあちゃんをやったり、本当に素敵です。すごいです。

シワ書いてます。
今回はおばあちゃんですからね。七変化!

七変化と言えば…
おみよ役のあかねさん(・∀・)

かわいいおみよちゃんが持っていたお花は実は生花。
「ツボミが咲いたー!」なんて言いながら、今日一番綺麗な花を選んでいます。
そして、

アッと言う間に寒戸の婆に変身。
恐ろしくもあり切ないお話しでした。


『遠野物語』の音楽は、ピアノ、フルート、チェロ、打楽器という編成で奏でられました。

鳥居の向こうの楽士さんたち。


打楽器の数はこんなになっています。
勢揃い!圧巻!!


そして作曲の3人。
萩さん、寺嶋さん、吉川さん。


女子楽屋大集合。
※男性の集合写真はありません。


そして、我らが舞台監督・八木さん!
どう?ボスっぽい感じ出てるでしょ?


チケットは有り難いことに、後半どんどん売れて行き、前売完売が続きました。

大入袋いただきました!ありがとうございます。



終演してからも、なんだか遠野物語がまだずっとすぐ側にいるように思います。
終わってしまって寂しいとか怒涛の2ヶ月間だったなーっていうよりも、本当はずーっと前から知っていたような気がして、またひょっこり現れてくるんじゃないかなっとか思えてしまいます。

またひょっこり会いたくなったら、いつでもダイジェスト映像を見てくださいね。

稽古場バージョンもあります。



遠野に行きたくなった人は、こちらの座日記を見てから行くのも良いでしょう。
秋編。
冬編。

春編夏編は貴方の心に刻みに行っても良いと思います。
遠野に行くときは乗り合い馬車のこのシーンを思い出して。




ご来場くださったみなさま、
座日記を楽しみにしてくださったみなさま、どうもありがとうございました。
またいつかどこかで、遠野物語に会えますように。

「これを語りて、平地人を戦慄せしめよ!」



おまけ

稽古初日のあかねさん。




舞台写真:前澤秀登
写真:座員の皆様
文章:大久保藍乃

2 件のコメント:

コルシカ さんのコメント...

柳田らの用いる東京の言葉も、座敷童や村人たちの語る遠野の言葉も、どちらもそれぞれ美しいと思いながら聴いていました。

遠野物語が原作ときいて、怪異譚を羅列した感じのものになるのかと思ったら、喜善や祖母の語る不思議な話の世界だけでなく、喜善の感じる村の暮らしの閉塞感や「自分の力で絶頂を見た」水野への羨望などの、現実の苦さ・つらさ、あるいは労働に伴う達成感や連帯感といった日々の幸せのようなものにもしっかりと触れているのが良かった。

遠野に向かう馬車の中で柳田が喜善について言及したとき、「その人のことを聞いたことがある…」と言った娘、上野行きの汽車から身投げした少女と同じ女優さんが演じていたのがよかった。ストーリー上では全く別の人物のはずなのに、同じ人が演じることで、私たちの生きる日常と異界とがすぐ隣り合わせにあるような、不思議な肌合いが生まれたと思います。

水野葉舟、身体の動きなど一つ一つ面白かったです。コミカルなだけでなく、馬車の中での柳田の「遠野は~」の歌に呼応してしっかり歌い継いでいるあたりなどは堂々として、見ていて気持ちが良かった。

柳田の持参した本をそっと撫でる喜善のお祖母さんや、立っているだけで無念さとか様々な感情が伝わって来た長者の娘(裾につる草のようなものがはっている衣装が楽しい)、とにかく怖い山女や、連れ立って歩く二人の座敷童なども印象に残っています。

こんにゃく座 さんのコメント...

コルシカ 様

コメントありがとうございます!
お返事遅くなりごめんなさい。

私もノヨおばあちゃんが本を摩るシーン、とても好きです。そして最後には水野さんとの喧嘩ののち、喜善さんがその本を床に投げてしまったり…。
色んなシーンが繋がっていて、台本を読んだ時もお稽古が進んでいっても、謎解きみたいでとても楽しかったです。
『遠野物語』本当に愛おしい作品になりました!
ありがとうございました。


女中山女*あいの