ネズミ組 メンバー紹介(2022年)


スズ
梅村博美 profile
UMEMURA Hiromi

2009年2月三軒茶屋のパブリックシアターで初演してから13年たちました。10年後の2019年にはコロナが蔓延し、学校公演はキャンセル又は延期の憂き目に会い、なかなか公演がおとどけできませんでした。
このオペラの新しい試みは、朝鮮半島の伝統音楽から来る「サムルノリ」を音楽に取り入れることでした。劇中劇である「西遊記」を、サムルノリ演奏でやりたいという作曲家の思いがあり、オペラができる前の年から座を上げてサムルノリの稽古をしました。
 私の最大の挑戦は、息子を殺された思いをサムルノリを使って表現することでした。
 西洋音楽で言うところの4拍子=「恨」から3拍子=「力」に変わって行く所に、朝鮮半島の人々のパワフルさや、明るさがあり、今を乗り越えるために、だからこそサムルノリは、とても必要なものだったのだと思います。
 私も小さい頃、身体が虚弱で小さく、みんなに着いていけない寂しさや弱さを、歌を歌いながら頑張れば、自分に力が湧き着いて行くことができる。という発見をしていました。
「事の大きい小さいはあるけれど、方向は一緒でしょ!」と、私のネズミの旅ははじまったのでした。初演の頃の戦争と言えば、「イラク戦争」でしたが、今も、、、。



マンガン
富山直人 profile
TOMIYAMA Naoto

2009年の初演以来、マンガン、ドブネズミ、給仕、難民など様々な役でこの作品の全ステージに立ってきました。専ら私は、台本や楽譜に書かれていない隙間を勝手に埋める役目だったと思います。そんな隙間の1ヶ所を最後の最後で少し変更しました。
作・演出の鄭義信さんは「毎回新たな気持ちで」といつもおっしゃいます。
劇場や体育館で出会うお客様は毎回初めて。毎回新鮮な気持ちで緊張感を持ってやってきたと思います。もうちょっと上へ、もう少し前へ、さっきよりもうちょい高く。
年齢とともに体力的にキツくなってきていますが、気持ちだけでも。ね。



チタン
北野雄一郎 profile
KITANO Yuichiro

オペラ「ネズミの涙」は、僕が入座して2年目に初演を迎え、そこから今まで、すべての「ネズミの涙」の公演に出演させてもらった、言うなれば、僕のこんにゃく座人生そのものですね。楽しい思い出もつらい思い出もたくさん染み付いた愛着のある作品です。



リン
高岡由季 profile
TAKAOKA Yuki

私がこんにゃく座に入座して、「旅公演」というものに初めて出演したのがこの作品です。初めて観たのは、入座する前。こんにゃく座稽古場での通しを見学させていただいたのでした。あれから10年ほど経ったでしょうか。
田中さとみさん、太田まりさん、小林ゆず子さんのリンをたくさんたくさん観てきました。そしてラストイヤーに、突然やってきたこの重役…!畏多さと、プレッシャーと、隠しきれない嬉しさに震えます。誠実に、楽しんで、頑張ります!
誰にも知られなくても、誰かに認められなくても、どんなに小さな世界のなかでも精一杯、身体いっぱいに生きるネズミたちの涙の重さ。他の何とも比べられないずっしりと重い涙があるんだということを、脳を通り越して胸と腹の真ん中に太鼓の音と一緒に叩き込んくるのがこの『ネズミの涙』です。私も、ちっぽけなネズミの1人として、精一杯、身体いっぱいに、心いっぱいに生きたいと思います!!!



ニッケル
島田大翼 profile
SHIMADA Daisuke

孫悟空の役をやってますので「如意棒」を振り回して戦います。初演の頃は所謂【柳の棍】を使っていましたが、私の知らぬところで折れたらしく、現在2代目の【ただの丸材】を使っています。重さが3倍くらいになった気がします。予備として買ってあった3代目の【柳の棍】はデビュー前にトラックの中で腐ってしまいました。ごくわずかな時間しか使われない「伸びる如意棒」は消耗が激しいため、もう4〜5代目だと思います。まだまだ大事に振り回していきたいと思います。



タングステン
髙野うるお profile
TAKANO Uruo

初演、つまり本公演と呼ばれる一般公演。本公演特別バージョンとでも言いましょうか、今では演じられないシーンが何ヵ所かあるのです。2幕の最初に私が演じる神父さんが「美女」から「老婆」に着替える場面がありますが、裏で着替えている間に待っているネズミたちによるチークタイムのシーンがあったのです。その時のハプニング。

本来の段取り。

チークタイムが終わるかなー?っという時
リンが裏の様子を見ると
まだ着替えが間に合っていない!
とっさにリンがみんなに「伸ばして伸ばしてー」
あわてて再びチークタイム
もう一度様子を見ると、大丈夫。
リン「準備オッケー」
老婆出る。

以上が本来の段取り。
ところが。

チークタイムが終わるかなー?っという時
リンが裏の様子を見ると
まだ着替えが間に合っていない!
とっさにリンが「伸ばして伸ばしてー」
再びチークタイム
もう一度様子を見ると、大丈夫。
なのにリンちゃん「伸ばして伸ばしてー」(っと言ってしまい)
本当に戸惑うネズミたち。音楽もないのに踊ろうとする者、呆然とする者
リンちゃんハっと気づいて「あ!準備オッケー」
ほっとするネズミたち
老婆出る

となってしまったのです。

リン役のMさんは終演後反省しきりでしたが、「ハプニングが起きた」というシーンとしてはリアルなものになって、結果的にはいいシーンになったのではと思っています。
14年の間にはたくさんの思い出(特にハプニング)がありますが、これはその中のひとつです。



コバルト
西田玲子 profile
NISHIDA Reiko

私は「ネズミの涙」初演メンバーです。初演時、コバルトが全然理解できなくて、振付の伊藤多恵さんにアリアの振付をしてもらいながらいっしょに考えてもらったり、鄭さんにメイクをアドバイスしてもらったりしてなんとか本番が迎えられました。長い期間、コバルトを何度も演じて、コバルトのことが少しわかってきたような気がします。今年の秋、最後の公演までにどれだけコバルトになれるのか、楽しみに演じていきたいと思います。



給仕
吉田進也 profile
YOSHIDA Shinya

僕が入座したのは2019年、そしてその年初めて参加したオペラが『ネズミの涙』でした。その当時で既にこの演目は10年目を迎えていたみたいです。
そんな大演目に入座したての若手が参加するときのお気持ちっていうと……もちろんネズミに参加できる喜びもあります。でもね、正直、恐怖ですよね。10年間熟成されたネズミの世界に、何も知らない状態で足を突っ込むのは。さらにネズミって物語自体もすんごい熱量があるじゃないですか。戦争と平和、喪失と再生、笑いと涙。もう色んな感情がぐわんぐわんするんですよ。こんな台本に立ち向かうのは、恐怖、というより、畏怖?ですかね。いずれにせよすごい演目に参加してしまったなって感じです。

「このシーン初演からずっと変わらないね……」
「このシーン十数年で少しずつ変わっていっちゃったけど、初演はこうだったよね……」
「あの時は◯◯さんが演じてたよね、その後は××さんが演じて……」

そのようなことを先輩方が楽しそうに話しているのを聞くと、あぁ、『ネズミの涙』はこんにゃく座のみんなにとって本当に大事な大事な演目なんだなぁと、若手ながらしみじみしてしまいます。

さて、僕が入座して今年で4年目。先輩方に助けられながら、なんとかネズミの大地に立っています。ネズミのシーズンになると心が引き締まりますね。僕も僕なりに、十数年の歴史の一角に、熱情やら汗やら涙やら撒き散らしてやろうと思います。ワッショイワッショイ。



ネズミたち
壹岐隆邦 profile
IKI Takakuni

2011年、入座2年目。こんにゃく座のオペラデビューが『ネズミの涙』でした。
それから出演したりしなかったりを繰り返して、数えてみれば昨年度までで出演数は190ステージ。こんにゃく座に入ってから出演したオペラの約4割!
毎年、相手(キャスト)が変わり、それに伴って演出が変わり、たまに役柄が変わり……オペラってこんなに自由で良いんだ! と思い知らされたものでした。
たくさんの役を演じるこのオペラ。年を重ね、少しずつでもいろんな自分を引き出せたらな、という思いで挑戦してきました。ラストイヤーも、意気込み変わらず最後まで駆け抜けたいと思います。



ネズミたち
山本伸子 profile
YAMAMOTO Nobuko

ネズミの旅に関わって丸5年(!)になります。
その前の2015年のことです。
「魔法の笛」9月本公演を終えて、ネズミの稽古に見学に行きました。「魔法の笛」では可憐なうら若き乙女パミーナだった梅村さんが、一転して肝っ玉おっ母に完全に変化してました。
まだ「魔法の笛」の余韻が残っていた私は「ボクのパミーナが…‼︎」と絶句して涙したのを覚えてます。(私はパミーナの相手役タミーノでしたから、はい。)
そんなトラウマを持つ演目ですが、出演となるとネズミ1匹たりとも一瞬の気の緩みも許されません。おっかあを筆頭に天竺一座の皆の熱量に圧されながら、ひたすら、鍛錬あるのみのみ!



ネズミたち
花島春枝 profile
HANASHIMA Harue

『ネズミの涙』の初演時は衣裳チーフをしていて、裏方として作品を支える立場でした。大量の衣裳のために、作業場が工場の様になった記憶が懐かしいです。特に西遊記の被り物たちには、愛情をたっぷり込めて縫いました!
 何年かして、出演者として関わるようになりました。初参加の時には、チャンゴ(太鼓)が意味が分からないレベルに難しすぎて、泣きそうでした。右手と左手の叩き方も違うわ、それに足のステップが加わって、楽器を投げ出したいと思ったことも度々…。しかし石の上にも三年。今となっては、この難しさが楽しさに繋がり、独特のリズムや音の違いが聞き分けられるようになってきて…。ますます奥深い難しさを知ったのでした。



ピアノ
榊原紀保子
SAKAKIBARA Kihoko

こんにゃく座でピアノを弾く事が決まった20年前、見ておいてほしいと言われて見に行った作品が【ロはロボットのロ】と【まげもん】でした。かたやピアニストが浮き輪をしながらピアノを弾いていたし、かたや役者さんかと思ってた人が太鼓橋から猛ダッシュでピアノに向かって突然弾き始めたし。こんにゃく座って…え…私大丈夫かな…と不安いっぱいになりました。が、しばらく私にはそういう機会はまわってきませんでした。そして2009年、初めてネズミの涙で鄭さんと萩さんの世界に仲間入りすることができました。オープニングで『お時間でチュ』と言うセリフを与えてもらった(?)時には「いよいよ来た!」ととても変な感覚になりました、が、それ以上にこの作品を通してどれだけ自分の世界を広げてもらったか…計り知れません。本当に知ることができて良かった景色でした。
2009年の初演からラストまでずっとこの作品に携われた事を心から幸せに思います。大千秋楽までひとつひとつ大事に弾いていきたいと思います。



音響・制作マネージャー
入江茉奈 profile
IRIE Mana

私の『ネズミの涙』との出会いは上京前、地元広島での公演でした。最前列ど真ん中という席で、ネズミたちの溢れんばかりの熱量を浴び、圧倒され、苦しいくらい泣きました。
そんな大好きな作品のラストツアーに、初めての音響・制マネで参加します。緊張でおかしくなりそうです。が、先輩ネズミたちの背中を必死で追いかけたいと思います!



音響・制作マネージャー(9/29〜10/6)
齊藤路都 profile
SAITO Rutsu

「日本で1番"ネズミの涙"を見ている女」を自称しております。

1学期の旅公演には[ネズミの涙]のスタッフをやるのが、10年くらいのルーティーンでした(例外の年もありましたが)。

音響機材の前に座って爆撃音を出しながら、目の前で繰り広げられるネズミの世界に泣いて泣いて泣いて時に笑った。

第三場の洗濯物のシーンではほそびき(洗濯紐)を引っ張りながらニッケルに「ガンバレ」と声援を送り、天竺鼠のおっ父とおっ母が「息子も娘もいなかった」と言ったとき、音響ブースで盛大に鼻をすすっていた。スタッフという立場と観客という立場を行き来していたように思う。

今年の1学期もネズミの世界にこられてとても幸せです。(2学期も少し来ました。)


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以下・2022年夏メンバー


ピアノ
服部真理子
HATTORI Mariko

初演から14年。笑いと涙を振りまいてきたこの作品とも、7月で私はお別れです。戦争が身近になった今、鄭さんの一言一言が胸に刺さります。世界はそれでも暖かくて優しいよ。この言葉を信じたいです。

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