オペラ塾2023年度終了公演 あちゃらかおぺら「夏の夜の夢~嗚呼!大正浪漫編~」(5月11,12日):高岡由季

5月11日と12日、オペラ塾の2023年度修了公演
あちゃらかオペラ「夏の夜の夢〜嗚呼!大正浪漫編〜」が行われ、無事に終演いたしました。

私は2013年度は塾生として、2014年度は座員一年生として参加し、それからは衣裳係や演出助手などでなんやかんやお手伝いさせてもらっていて、いつも塾生に元気をいただいています。今年は衣裳係として、塾生のみなさんの衣裳を、愛を込めてこさえました。
その前にオペラ塾ファンである私からまずは彼らのすごいところをご紹介。

オペラ塾は主に土日に活動しています。平日はそれぞれのお仕事をこなし、社会を良くし、それだけでクタクタなはずなのに、その身体でオペラ塾にやってきて全力で歌ってお芝居をして、この修了公演に向かって走ってきました。並大抵のことではなかったろうな、と毎年思います。
そしてみんな非常にストロング(強い)なマインド(我)を持っていらっしゃる…!最強の褒め言葉です!!笑
こんにゃく座の講師たちとお稽古するうちに、みんないつのまにか、自分だけの歌を歌い、自分にしかできないお芝居を見つけていて本当にすごいなあと思います。
私もこうなりたい、こうでありたい、こんなふうにやりたい、といつも思うのであります。

今年はダブルキャスト!11日が夏組、12日が夢組の公演でした。
本番当日、ラストスパート。塾生の撮ったお写真を拝借して少しご紹介。
演出の大石さんとゴリさんの最後の追い込み。
大石さんは最後までヤマトとカスガのメイクにこだわっていました。
ヘアマスターの岡原さんがちいちゃんの大正ヘアーをお世話して、
演出助手のちゃみさんと衣裳の私は着物を着付けたり、見守ったり。

さあ、楽しもう!!と円陣で喝を入れます。
ここからは私の個人的感想をとりとめもなく書いていきますが、楽しい舞台写真もありますので、公演を観てくださった方は思い出していただき、観られなかった方は「こんな感じだったんだぁ〜」と想像して楽しんでいただけると幸いです。

楽士の3人様。
もうオペラ塾のメンバーといっても過言ではないピアノ舜ちゃん。
去年の『おぐりとてるて』に引き続きお世話になりますパーカッション高良さん。
一昨年の『銀河鉄道』から一年ぶりの橋爪さん。
本当に豪華なメンバーです。

塾一年目のこすげっち、ごくう、カコちゃん
一年目とは思えない存在感で、コダマの核を担ってくれました。

同じく一年目のはる。
夏組では若さあふれる千尋、夢組ではコダマを演じました。可愛いだけじゃない面白さが生き生きしていた!

夢組の千尋、夏組のコダマは、ちいちゃん!いつのまにか迫力ある声になっていて、「すげぇ…」となった。
かなちんの夏組五月のひたむきさに泣き、ひょうきんな声づかいに笑いました。夢組でのコダマ、チームプレイを支えていた!
夢組の五月、夏組のコダマはたてぃ!去年の公演の時に「合唱を背負ってソロを歌う」という夢を叶えていた。今年もさすがの表現力で物語のドタバタを引っ張ってくれてた!
たかやんの三郎と、おしのの浩三はシングルキャスト。
ダブルキャストで2組の千尋と五月、つまり4人の女性を安定の歌とお芝居で支えていました。
支えていたといえば、両組で女優・弥生を演じた安心と信頼のなおねこ。ドレスを着こなし、愛する侯爵に少女のように甘えながら母のように導く姿は本当に女優でした。
ダブルキャストの職人ズのリーダー、棟梁をひとりシングルで務めたハマちゃん。大暴れの個性豊かすぎる職人たちをまとめあげました。
夏組の凡太、夢組のヤマトという2役をやり切ったくぼちゃん。タヌキに変えられた凡太の惚け(いや、呆け?)顔も忘れられないインパクトだし、威厳あるヤマトのカスガに対する優しい顔もどちらも愛を感じました。
ヤマトを夏組でやったしまちゃんは夢組では職人の古井戸。くぼちゃんヤマトとはまたちがう自然なやんちゃ味を感じるヤマトもおもいっきりふざける古井戸も好きだった!

カスガの夏組はみっちゃん。夢組ははっちゃん。逆組ではそれぞれコダマを演じました。
みっちゃんカスガの滲み出る女王感に痺れたし、コダマのオーラもすごかった。
はっちゃんの人を笑わせる力がすごい。毎年毎年、パワーアップしていってます。カスガもコダマも最高!
トリックスターのガタロは夏組ではどばちゃん、夢組ではあっこちゃんが演じました。逆組ではそれぞれコダマを。
どばちゃんもあっこちゃんも、それぞれに違う、素晴らしいいたずら者、おどけ者でした。
すっかりオペラ塾古株のまささんは夏組では職人の古井戸、夢組では桂木を。
古井戸では持ち前のお調子者だったし、桂木では今まであんまり見なかった厳格なお父さんをしっかり演じていてすごいなと思いました!
さぶちゃんは、夏組では桂木、夢組では凡太!
さぶちゃんののびのびした歌声がいろんなところで調子に乗って披露されていたので嬉しくなりました。
お芝居に絶対的信頼のおけるもっちゃんとともえちゃんは、職人ズの鮒五郎とコダマを両組交代で演じました。
余興で鮒五郎が扮するライオンがそれぞれの自作のものなのですが、とっても可愛くてお気に入りでした!
ひろちゃんとえっちゃん、誰にも真似できない個性を光らせるこのお二人は、砂吉と、コダマ+余興係の役を両組交代で演じました。コダマではキュートな姿を見せたかと思いきや、砂吉ではなかなかの持ち時間を1人でもってアリアを何曲も歌い上げきったり、余興係は登場時間が短いにも関わらずかなりのインパクトを与えたりしました。
まさみちゃんとかずちゃんは、穏やかで優しくしっかり者でありながら、心のなかにロマンチックで大きな物語を秘めておられるなと感じます。そんな2人に洲太郎の月のアリアやコダマはピッタリだったと思います!
侯爵役のこんにゃく座員ピンチヒッター、ゴリさん。
本番10日前ぐらいに出演が決まって、猛、猛、猛稽古して歌と台詞を詰め込みました。ゴリさんが打ち上げの時にこう言いました。自分が舞台に出るためには猛稽古、1000本ノックが必要。そしてそのためには1000本ノックを打ってくれる人が必要で、それを打ってくれたのが自分の妻、今回の演出の大石さん、演出助手のちゃみさん、そして、侯爵役で出演するはずだったじゅんじいだと。

じゅんじいこと飯田淳さんが5月7日、ご病気で亡くなられました。
じゅんじいは、2014年からオペラ塾に参加し、誰にも愛される人柄と歌声とお芝居で、塾にいなくてはならない存在でした。私も本当にたくさんお世話になったし一緒に笑って歌ってお芝居しました。
4月28日の稽古日まで一緒に歌って演じてお稽古していました。
今回の公演中も、塾生の声に混じってじゅんじいのどっしりして軽くて優しい声が、塾生の瞳の中にじゅんじいの真面目でお茶目な姿が、聞こえて見えてくるようでした。
心からご冥福をお祈りいたします。


こうして今年のオペラ塾も無事に終演。
早速、6月2日から2024年度のオペラ塾が始まります!
ご興味ある方はこちらをご覧ください。

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