8/18稽古場日誌 :うるお

 装置(大道具)がバラバラに分解されて稽古場にきた。朝10時
から組み立てる。大きな部品同士をボルトとナットで取り付けていく。
「アレーここんとこの穴とボルトがあわないよー」「だからほかんとこを最初に締めちゃうから融通が利かないんだよ」「そこいったんぜんぶ緩めてー」「はーい」「よし 入った」。
 新しい装置が来るたびに交わされるこの会話を、今回の「クラブマクベス」の稽古場においてもしっかりと交わしながら大道具は完成した。
 見るとこの道具、どこか懐かしさを感じる。年少期に遊んだ滑り台のような、浅草にある家庭的遊園地にありそうな遊具のような、今もってあこがれを感じる少年ロボット漫画、に出てくるすぐ壊されてしまうロボットのような・・・脳内に色々な「ような」が浮かんでくる。
 そしてもう一つ、この装置の底にはにはわたくしだけが勝手に呼んでる「星形キャスター(スターキャスター)」が実に10もついている。これはキャスター界の遊星歯車とも言うべきモノで、実に実にスムーズに動くのだ。正にわたくしの中ではキングオブキャスターなのだ。
 窓から見える二子玉川花火大会をバックにキングオブキャスターを履いた滑り台遊園地ロボットは自由に自由に滑り回る・・・・・・という妄想に私は駆られた。


高野 うるお

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