『夏の夜の夢』稽古場日誌 1月6日(日)萩千尋

お茶場のテーブルにはみかんが並び、廊下にはお餅の焼ける香りが充満し、女子楽屋ではまりちゃん(太田まり)が今更年賀状を書いているという、お正月が名残放題な今日この頃。
『真夏の夜の夢』のお稽古は、真冬の昼の現(うつつ)に始まります。

台本・演出の元さん(山元清多さん)は、作品について、時代背景について、その他もろもろについて、日々舌好調にお話をされます。
その言葉は、転がしたり、奥行きを持たせたり、体温を変化させたりと、自在にシーンを展開させていきます。
…が、たまに不思議な瞬間も訪れます。

例えば、
「サッカー用語で、相手を見ずに気配を感じてパスを送って受け取ることを、ほら何とか言う言葉があるだろう」
という問いかけに、座員は懸命に、
「連携プレー?」「ノールックパス?」「テレパシー?(←違います)」
と答えを探そうとするのですが、
「違う違う、そんなんじゃなくて…」
と全て否定し考えた末に出た元さんの結論は
「そう、反応だ!」
…それは果たしてサッカー用語なのか、という民衆の心の声をよそに、
「英語で言うと、リアクションだ!」
と英訳した元さんは、何故かご満悦の表情。
稽古場は、何となく「そうなのか…」という空気に包まれたのでした。ファンタスティック。

ちなみに、「テレパシー?」というミラクルな回答を弾き出したのは、今回夏夢に登場する愉快なコダマの仲間たちの一人、ひろかさん(鈴木裕加)です。


参考資料:『日本コダマ図鑑(大正編)』P6


ぴょっこり、ほんわり、しっかり、うっかり、がっつり、おっとり。
多種多様で、ある種異様なコダマたちがどう舞台を彩るか、どうぞ一月後の本番を楽しみにしていて下さいまし。…ええ私も楽しみです。

ちなみに、コダマたちのボス。


カスガさま


この麗しい微笑の裏に潜んでいるものにも、乞うご期待!

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