『変身』稽古場日誌(4月5日):岡原真弓

オペラ「変身」山元清多追悼公演、稽古はじまりました。



今回は新しく、女中の役に元さんの奥さんである稲葉良子さん、通称「ナッパさん」をお迎えしました。

そして下宿人に富山直人、街の人に花島春枝を加えて、名実共に、大きくバージョンアップしました。



稽古初日での顔合わせでは、演出助手の萩窓子さんが挨拶の時に思わず涙声に・・・。

「京子ちゃんの挨拶で元さんの人柄を思い出したから、萩京子のせいだ!」とおっしゃいました。

その萩京子さんは、
「林光さんの挨拶で元さんの素晴らしさを思い出したから、林さんのせいだ!」と、おっしゃいました。

しかし、一番泣いていたのは…。

照明家の成瀬さんでした。
終わりのほうの音楽をみなさんにお聞かせしたのですが、妹が「おしまいよ!」と歌うあたりから、花粉症が酷くなったなどとおっしゃいましたが・・・。
本当は、プラハの照明スタッフがゲネプロの時に照明操作がちゃんとできないくらい感動して泣いていた事や、元さんに「ぼくの照明はこれでいいんでしょうか?」と聞いたら「それでいいんだよ」と言われた事や、たくさんの思い出が渦巻き、泣いてしまったそうです。



そして、稽古場の合い言葉は
「元さんこう言ってたよね。元さんが意外とここでこだわったよね。」

和気あいあい、凄く仲良く稽古しています。

新しく入ったメンバーの予習もすばらしく、演出家がいなくても何とも順調に稽古が進みます。

元さんという人は、亡くなってまで人の心を温かくしてくださるのでした。

下宿人岡原真弓

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