ピノッキオ旅日記 in インド!(10月5日):萩京子

10月5日(金)

 今日は小学校でのワークショップを2回やってから、コルカタへ移動する。今日も朝7時半出発で、基金のニューデリー事務所に寄り、ワークショップのための練習をしてから、ムニ・インターナショナル・スクールへ向かう。



 日本語教育という側面もあり、『ピノッキオ』の場面を利用して、日本語の表現を伝えたり、「ピノッキオ」のテーマソングを一緒に歌ったり動きを覚えてもらったり、またこんにゃく体操も取り入れたワークショップの内容だ。学校にはピアノはないので、アコーディオンとピアニカ2台を駆使する。
 道中の車窓を楽しんでいたが、途中でミニバスの後ろのタイヤがパンク。タイヤの表のゴム皮(?)がはがれたらしく、しかし1部分はくっついているらしく、走るとバンバンすごい音がする。しばらくそのまま走行する。しかも渋滞に巻き込まれ、ヒヤヒヤの連続。そのうちタイヤの表面のゴムは完全にはがれたらしく、音はしなくなった。これで安心というわけではないが、とりあえず物騒な音はしなくなったので、どんどんそのまま走る。
 ワークショップの始まる時間ぎりぎりくらいに到着する。案の定、子どもたちはもうすでに会場に入っている。私たちは校長先生から熱烈な歓迎を受ける。子どもたちを待たせることに慣れていない私たちはあせってしまう。日本で私たちはいつも体育館で準備を済ませ、子どもたちの入場を待つ。だがここインドでは、子どもたちが私たちを迎え入れるべきだと考えられ、140人ほどの子どもたちが待つなかを、私たちはぞろぞろ入っていくことになる。
 この学校は日本語教育を取り入れているということで、子どもたちは「手のひらを太陽に」をウエルカムソングとして歌ってくれた。キーボードで不思議なインド的な副旋律が奏でられ、太鼓も入ってのインド風「手のひら~」だった。
 ワークショップではピノッキオとジェペットの会話、ピノッキオの名前が生まれる場面を子どもたちと練習する。「名前」「花」「鳥」「動物」「虫」「星」「人間」等のことばをローマ字書きにして、まりに描いてもらった絵を、見せながらやりとりした。




 子どもたちは元気よく声を出してくれて、ワークショップを楽しんでくれたようだ。最後にタージマハールのかたちをした置物(あるいはろうそく?)の贈り物をいただき、こちらからは『ピノッキオ』と『ぼくたちのオペラハウス』のCDをプレゼントした。60分ほどのワークショップを2回やった後、学校でお昼ごはんをごちそうになる。そして帰ることになると、子どもたちがやってきて、絵や折り紙のようなものなどを次々にくれる。

 そしてミニバスに乗り込み、空港へ向かう。なんとも忙しい。コルカタへは基金の土井さんが同行してくださる。国内線もセキュリティーはきびしく、女性も身体チェックがある。岡原は最近首のヘルニアで、むち打ち症の人がするようなコルセットを首にして、(多少デモンストレーションの意味合いもあり!)チェックに向かうと、なんと、なんと!係員から1ルピーもらった。これって喜捨?岡原って日本から来た芸能の神様? まりはトランクに入れるべきだった眉毛用のはさみを取り上げられてしまった。
 空港内でインドのビール、フォスタービールを300ルピーで飲む。実はこれがインドに来てからの初めての買い物。デリーに到着して1万円両替したが、今の今まで、一銭も使わなかった。ホテルと劇場を往復するだけのデリーの4日間を終え、コルカタへ向かう。



 約2時間のフライト。7時ころコルカタに着く。コルカタの空港はぴかぴかのデリーの空港とは違い、インドらしさを感じる。空港には領事館の久保田さんが待ち受けてくれていた。チャーターしてくれているバス(今度は大きなバスだった)に荷物を載せ、私たちも乗り込む。夜のコルカタの街を眺めながらホテルに向かう。コルカタは東インド。言語もベンガル語が中心となる。人々の表情や街の表情はデリーとは違って柔らかい感じがする。路上で生活している人もたくさん見かけるが、殺伐とした感じはしない。全体がデリーよりもゆったりした感じ。
 ホテルに着き、個人の荷物を部屋に入れるやいなや集合。昨日初日祝いができなかったので、みんなで近くのイタリアン+チャイニーズレストランに行く。キングフィッシャーというインドのビールで乾杯。デリーの公演の成功を祝い合い、これからの旅をがんばろう!と気炎をあげる。

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