森組 in 京都府長岡京市『京都府長岡京記念文化会館』(12月22日):土居麦

一年に一度、訪れる場所がある。
今日は京都府長岡京記念文化会館での公演。
長岡京駅で電車を降りると、細かなみぞれが舞っていた。
こんにゃく座に入る前の数年、阪急電車で4、5駅先、桂川を渡るとすぐの「西京極」という地で下宿をしていたことがあったので、晴れの予報を裏切る京都の冬の、こうした天気には慣れていたはずだが、山を吹き下ろしてくる湿った風は、とても冷たく感じられた。

こんにゃく座は僕が学生時代を京都で過ごしていた当時から、いやもう少し年数を遡った頃から、一年に一度のペースで長岡京で公演を主催し、京都や大阪を中心とした関西のお客さまにオペラをご覧いただいている。年間200を超えるステージを上演する旅公演の劇場や学校はさまざま。そのなかで定期的に主催(共催)公演を行ない訪れるこの長岡京の会館は、明日訪れる広島市東区民文化センターとともに、いわばこんにゃく座のホームグラウンドだ。そこには毎年恒例となったこんにゃく座公演を楽しみに待って下さる方がたくさんいらっしゃる。
特に『森は生きている』はファンの方が多い。今日は開演2時間前から入場を待つ列ができはじめた。



行列が長くなりはじめた開演1時間半前、当初の予定を30分繰り上げて受付を開く。
外はあまりに寒いので、とにかくロビーまで入っていただこうと、会館スタッフが臨機応変に準備を整えて下さる。
入口では「おとくにパオ」、「京都音楽教育の会」、「OKOM会」、そして「こんにゃく座」と4つの受付が開く。



「おとくにパオ」はここ長岡京に根ざした、子どもたちにさまざまな体験の場を提供する団体。
活動の柱のひとつが舞台鑑賞であり、こんにゃく座のオペラにも積極的に取り組んで下さっている。
「京都音楽教育の会」は全国各地で活動を続ける「音楽教育の会」の京都サークル。
林光さんは生前、会の共同研究者として長年活動を共にされてきた。長く京都サークルの中心的存在である工藤先生が今日も受付に座られた。
「OKOM(オコム)会」は「大阪(関西)でこんにゃく座を見る会」の略。
岡原真弓さんのご両親、岡原ヨシ子さんと進さんは、こんにゃく座の文化を一人でも多くの方に届けようという熱い思いから、いつも多大な協力をして下さる。

今日も満席の1,000人近いお客さまが来場されるが、これほどたくさんの方に足を運んでいただけるのは前述の皆さまのおかげである。
「こんにゃく座のオペラって面白いよ」「一緒に観に行きませんか」と、積極的に公演に誘って下さり、販売用に預かっていただいたチケットのやりとりに、きめ細やかな対応をして下さっている。受付には、一人一人のお客さまの名前が書かれ、チケットを入れ準備された封筒が、ずらりと並んだ。
ちょうど10年前、入座した年に、『イヌの仇討~』というオペラのツアーに同行し、初めて長岡京の会館を訪れた当時はまだ分からなかったが、今日こうして、今年も受付に座られる工藤先生や岡原さんの背中を見ると、ずっとずっとこんにゃく座を応援し、私たちを支えて下さってきた年月の長さと重さとが胸にせまってきた。

四月と娘と一緒になって「一瞬の今」を歌う子どもたちの姿もここでは恒例のこと。少しずつ恥ずかしそうに、でもだんだん元気に声が重なってくることが微笑ましく思える。子どもたちは今年も楽しんで観てくれたようだ。
終演後、会場を後にされるたくさんのお客さまのなかに、中村千恵子さんのお顔が見えた。
中村さんはこんにゃく座の創立メンバーのひとり。僕は初対面であったが、40周年誌の編集の際、写真でお顔を拝見していた。
40年前、こんにゃく座バスに寝泊まりしながらオペラの旅を続けた方。今日来場された時に、会館の外に停まっている「こんにゃく座」の文字が入ったトラックを見かけられ、当時を思い出されたとおっしゃっていた。
今日はバジ(佐山)さんを訪ねていらっしゃった。中村さんがこんにゃく座の舞台に立つバジさんの姿をご覧になるのは、ずいぶんと久しぶりのことではないのだろうか。
ここにもひとつ、続けていることの重さがあった。



「今日が誕生日のバジさんに座員からプレゼント」

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