歌芝居『魔法の笛』稽古場日誌(8月4日):武田茂

今日は、演出家の加藤さんが“とにかく3日で最後まで通す”と言ったその3日め。
見事、ダイヤとクローバーの2チームでフィナーレの合唱までたどり着く。
この装置をどう使うか、カーテンの開け閉め、登退場の場所などがぼんやり見えてきた。

夜の女王の三人の侍女グループ、少年グループと僧侶のグループと言うように幾つかのグループがあるのだが、今日は僧侶組みが健闘した。
それは、火と水の試練の場面。
18世紀末の初演当時の舞台仕掛けを彷彿させる手作り感、火口から燃える石が吹き上がるように赤い布が舞台に放り込まれたり、壁から赤い布を蛇の舌よろしく出したり引っ込めたりすると、火の責め苦の試練の場にぴったり。
水のシーンは、二枚の長い水色の布の先にそれぞれテグスを付けて、交差するように上手からは下手に、下手からは上手に投げて、テグスを引いて水色の布が舞台上で十文字を描くようにして、布を揺らして逆巻く怒涛や瀑布を現出させる。
加藤さんはカーテンに映像で試練の場を描き出そうと考えていたらしいのだが、これも気に入ったらしい。
めでたし、めでたし。

                                    武田

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