無人自動運転の金沢シーサイドラインに乗ってやってきたのは、横浜市立並木第一小学校。
今日はここで、オペラ『銀のロバ』を上演します。
どうも新人制作の森です。今回、飛び入りでお手伝いに来ました。
では、続けます。
見慣れない大きなトラックが停まっていて、見知らぬ人たちが体育館の中でせっせと木の棒やら大きな板を使って何かを組み立てている。
そんな光景を、登校してくるこどもたちは足を止め、遠くから眺めています。
「なんだこれは?」とハテナをいっぱい浮かべて。
その視線の先で、手際よくどんどん舞台は出来上がっていきます。
朝の寒さはどこへやら、体育館はムワッと少し生温い空気。
「今日は暑くなるかもね。」
誰かが呟きました。
舞台が出来上がり、簡単なリハーサルを終え、いよいよ開場です。
「うわーっ!!」
よく知っている体育館が今日はなんだか別の場所になったみたい。
1日だけのオペラハウスに足を踏み入れたこどもたちは目をキラっキラっさせています。
先生が言います。
「オペラってなんだろう?」
「歌でお芝居する!」
元気な答えが返ってきます。
そうそうよく知ってるね、先生はそう言って、一呼吸おいてから、こう続けました。
「オペラではいつもの朝の挨拶がね、“ おはよ~う♪ ”」
先生が歌って踊ったものだから、こどもたちは大喜び。
そんな先生の素敵な橋渡しを受け、オペラ『銀のロバ』は始まりました。
楽しいところでは声を上げて思いっきり笑い、悲しい場面では登場人物たちの話を一生懸命聞こうとする。
こどもたちの様子を後ろから見ていて、会場全体が物語と一緒に波打つのが感じられました。
みんな一緒に旅しているんだなー、と。
大きな拍手に包まれて、『銀のロバ』は幕を閉じました。
「楽しかった!」「凄かった!」
口々に感想を言い合いながら体育館を後にするこどもたち。
そんなこどもたちをロバが最後までお見送りしていました。
さて、無事公演を終え、お昼ごはんを食べ、片付けです。
熱気に溢れたオペラハウスがどんどん解体されていきます。
興奮冷めやらぬこどもたちが時折覗きにきては、走り去っていきます。
そうして、体育館は元通りの姿へ。
太陽はもう真上を過ぎ、少し傾き始めています。
朝の寒さはどこへやら、着てきたコートが必要ないくらい暖かくて良い天気。
今回、私は『銀のロバ』の現場に初めて赴きました。こんにゃく座の体育館公演にお邪魔するのですら3回目。
まだまだ観た数は少ないですが、体育館でこどもたちの反応を目の当たりにするたびに、その独特の “生もの感” にドキドキします。
このドキドキを生み出す一端を担えたら、と気持ち新たに帰路についたのでした。
おわり
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★おまけ★
無人自動運転のシーサイドラインで運転手気分を楽しむ。井村さん。

普通は運転席であるはずのところが座席になっていて、座るとまるで自分で運転している気分になるのです。
井村さんと朋さんと私。大の大人3人で大興奮の帰り道でした
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