オペラ『おぐりとてるて』稽古場日誌(4月30日):大石哲史

新メンバー3人を迎え三日前に音楽稽古を始めたばかりなのに、稽古隊長西田さんは、一昨日1幕、昨日2幕をざっと立ち稽古して本日、演出家の稽古はじめの日に通しましょう、と、のたまわった。私は口は挟まなかったが、「そんなに焦ってどうするの? もっとゆっくり丁寧に相手役と会話しながら作っていこうよ!役者が変われば芝居もガラッと変わるんだから」と内心強く思っていた。
そして今日、演出家、作曲家、振付師を迎えてほんとうに稽古はじめに通してしまった。 結果は「やってよかった!」 だった。たしかに、占い師は登場もドタンバタンした上に出てきても全く歌えなかったり、視る目とうせんも、キャラクターは楽しいんだが、息を切らして意味不明な言語を連発するわ、主役の照手姫にいたっては、えいさらえいーの神がかった歌で、なんとモンキーダンスを披露( 場内大爆笑 ) するわで、破茶滅茶空前絶後な通しではあったが、演出の立山さんが、3人のとってもいいところと悪いところを瞬時に理解し、的確に指摘してくれる、という結果を導き出してくれるという副産物が産まれたのだ。これは新メンバーにとってはこれからの各々の稽古方針がクリアーに見えてきたことだろう、一場面毎に丁寧に作り始めていたらこうはならなかったなあーと強く思った。西やん偉い!
それから以前の小栗の再演の稽古の時もあったんだが、今日も立山さんが「 ね、合唱のそこの箇所、歌い方変わった?」・・・・・みんなキョトンである。同じ様に歌っているつもり・・・・いや待てよ、なんか違う気がする。・・・・ああそういえばもっと小さく歌っていたかも・・・・そうだよ小さく歌って?でもなんでそうしたんだろう?・・・・みんな覚えてないんだ。ソロのうたの時はそうでもないが、合唱の時は何故そんな風に歌ってたんだ?動機はなんだ?・・・と、忘却の彼方なのである。 立山さんの歌い方への記憶はかなり鋭いのだ!
1日、みんなヘトヘトになりました。

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