森組 in 広島県広島市『春日野小学校』(11月4~6日):壹岐隆邦

広島県広島市といえば、「3Bの街」という異名を持つくらい橋 [Bridge] の多い街です。
「水の都」なんて愛称もありますから、多くの川が海に流れ込んでいる、瀬戸内海沿いの街、という印象が強くありました。
こんにゃく座でもよく訪れる街のひとつで、実際そんなイメージの通りの場所での公演が多かったのですが、今回訪れた春日野小学校は同じ市内だとは思えないような、見晴らしの良い丘の上。
「広島市、広し街」とは誰の言葉だったでしょう。

学校のある丘は、全体が最近開発されたニュータウン。
三方を山に囲まれた山の中腹に位置していて、通り抜けの道もなく、車通りも少ないのでとても閑静なところです。
学校も2010年に開校したばかりとの事で、ちらっと見えた円形の中庭が印象的な素敵な校舎に、綺麗な体育館!


……どうして、こんなに詳しいのかって?
広島出身の座員、入江さんが情報源!
入江さん、なんと出動メンバーでもないのに、実家に帰るついでに3日間ともお手伝いに来てくれたのです。
これじゃあ、公演のついでに実家に帰ったのか、って逆に錯覚してしまうほど。感恩戴徳。感謝感激。
長い広島での滞在。食事処や買い物所など、生活情報の恩恵に与った座員も多かったようです。


さらっと書いてしまいましたが、今回の公演は2ステージを「3日間」。計6ステージ! 各学年ごとでの公演です。
新しく学校が設置されるだけあって、今では珍しい、児童数1,000人超えのマンモス校。
1学年ずつ6ステージは少し前の『タング』でもありましたが、3日間同じ学校で公演をするのは、たぶん初めてのこと。
いずれにしても、このコロナ禍での密を避けた、新しい公演形態。「いつも通りの環境ではできないから公演中止」となってもおかしくない所を、子どもたちに楽しんでもらおうと色々考えて取り組んでくださる学校の心遣いに、敬服いたします。
ところで前半組の公演数は24ステージ。4分の1がここ春日野小学校での公演ということになります。びっくり。


先生方からは、もみじ饅頭などの差し入れもいただきました。
地元のものをいただけると、嬉しくなります。ありがとうございます!

ちなみに学校周辺は、まだ紅葉が始まったばかり。
それでも体育館内は、ステージ上で汗ばむ事もないくらいの肌寒さです。
2ステージを3日間となると、役者のほうも心してかからなければ、へばってしまいます。が、そこまで気温も上がらず、暑さで体力も奪われずに公演することができました。

役者を気遣って、自分も大変なのにプリセット(舞台の初期状態化)を手伝ってくださる、照明の桂さん。ありがとうございます。

休憩中に日光で暖を取る泉くん。

と、良くみたら、点在して他の人もあやかりに。お日さまの力は偉大です。


けれど開演時にはまた、照明の妨げにならないようにカーテンを閉めてしまわなければなりません。
しかも換気のために、窓は開け放たれた状態。ふたたび冬の森さながらの寒さがやって来ます。
舞台上で動き回っている役者にとっては有難いその寒さも、観ている子どもたちにとってはきっと我慢が必要な寒さ。
それでも驚くべきことに、どの学年もとてもしっかりと観てくれました。

各学年ごとに公演して面白かったのは、学年によって反応が全然違うこと!
普段は全学年同時、または低学年と高学年に分かれての鑑賞が多いので1~2年生のやんちゃな反応に埋もれがちだったからか、はたまた下級生がいない事で肩肘張らずに伸び伸びと鑑賞できたのか、5年生や6年生はこんなところで反応するのか! という新たな気付きもありました。
こんな状況だから生まれた「学年ごとの鑑賞」だけれど、普段後ろのほうでの鑑賞になりがちな学年も最前列で観ることができて、とても贅沢で良い公演になったと思います。
笑いやツッコミの多かった学年、焚火が燃えたり杖が光ったりした時に感嘆の声をあげた学年、マツユキ草が咲いた時に拍手が沸き起こった学年、鑑賞後の言葉で「(劇中に)感謝の言葉がいっぱいで、その気持ちを忘れないようにしたい」とか「歌がきれいでとけてしまいそうでした」なんて感想もありました。
私はその言葉にとけてしまいそうでした。

繰り返しになってしまいますが、こうして観賞行事を敢行してくださった学校に、私たちも感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました!



※はじめに書いた「3Bの街」、残り2つの「B」はバス [Bus] と支店 [Branch] ですって。[Baseball] ではないのね

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