オペラ『リア王』劇場日誌(9月23日):小田藍乃

オペラ『リア王』
無事に終演いたしました☆★

8月頭からお稽古が始まり、劇場入りは9月9日。
がっつり2週間、みんな吉祥寺シアターに通いました!!!

いやー暑い暑い夏でした!ほんとうに。

こんにゃく座の新しいシェイクスピア作品の誕生に立ち会えて、とても幸せな毎日でした。
クスッと笑いもあり、そして壮大な音楽と迫力の歌、美しい舞台と照明、そして美しい衣装。
まるで舞台上空の銀色の枠のように、何もかもがバランスを取り合っていました!(よくわからない例えですみません。笑)

さてさて座員のみなさまからいろんな写真が集まりましたよ。
上手にまとめられるかしら。
舞台裏の様子をお楽しみください♪♪



リア王・大石哲史
大石さんの王冠姿は色々見てきましたが、今回も素敵な王冠姿でした。この王冠は金色の折り紙を貼り付けたもの。やっぱり大石さんはなんでも着こなしてしまうんだなーっと、王冠姿をうっとり眺めておりました。王様の貫禄から、狂乱のリアまで、大石さんを魅力がいっぱい詰まっていました!狂乱大石さんの「パキーン!」が大好きです!


長女ゴネリル・鈴木あかね
そう言えば稽古場では悪人さを追求して怖い化粧をしてきて、却下になるなんてことも。お芝居で十分怖さは伝わっているのでお化粧は普通に美しくて大丈夫とのこと。
ええ、美しいんです。あかねお姉様。舞台裏ではこんなに素敵な笑顔でした。


長女ゴネリル・鈴木裕加
役の振り幅がものすごいひろかさん。ソプラノの高い声から、今回は痺れるような低音、そして力強いセリフと、魅了されるシーンがたくさんありました。横顔からも滲み出る凛とした芯の強さが本当にかっこいいのです。あ。でも普段は絶対そんなに声を荒げることはなくてのんびりとしていて、ちょっと面白くて、みんなに変なガムを配ってくれたりします。


次女リーガン・豊島理恵
美しいと言えばこのお方!美しすぎて色っぽくて艶っぽくて、でもキュートさも投入。さらには夫であるコーンウォールを刺し殺す狂気っと言ったら!!!
お芝居の引き出しの多さに毎日驚いておりました。指輪のサイズが細すぎるのも驚きました。


次女リーガン・川中裕子
ゆうこさんは美しいんです。美しいのに、面白いのです。
チャーミングな笑顔と、美しいソプラノでみんなメロメロでした。
ゆうこさんのみのスペシャル演出、左腕の『マドエ♡』みなさん、見落としたりしていませんか?


三女コーディリア・小林ゆず子
ゆずちゃんの金髪って初めてです。「街中にはいろんな金髪の人がいるけど、ゆず子の金髪は本当によく似合っている」と萩さんのおすみつき。今回のリア大石さんと色が同じで、私はラストのシーンで同じ髪色の二人が登場すると、いつも泣けてしまうのです。
ゆずちゃんのこのバカ帽子姿も結構好きです。


三女コーディリア・入江茉奈
クセの強い先輩らに囲まれても、全然負けずに強さを発揮しているまなちゃん。
さすが広島出身だからかな。強い女性は綺麗ですよね。
そして、カテゴリ『睨み茉奈』はまだ続いているようでセットでお届けいたします。


ケント伯爵・佐藤敏之
普段から座員想いで、みんなのためにたくさん動いてくれる佐藤さん。ケントという役はピッタリでした!!リアに忠誠を誓い、コーディリアを支え、道化ではさすがの身体能力です。 ラストのシーンでは目無しのグロスターのそばにいる姿も忘れられません。


オールバニ公爵・富山直人
身勝手な奥さんであるゴネリルに振り回されてると思いきや、最後にはちゃんと場をおさめるオールバニ公爵。 楽屋でも色んな人のお世話してくれたりして、舞台上でも舞台裏でも冨山さんの優しさが滲み出ておりました。


コーンウォール公爵・北野雄一郎
火のような男!コーンウォール!
普段優しいイケメンお兄さんが、人の目をエグるような人になってしまうなんて!
っとヤンキーのような姿もあれば、いつものようにお茶目な姿も。


グロスター伯爵・髙野うるお
誰よりも準備の早いうるおさん。さすがベテラン歌役者。
目をエグられた後の血のついた目の包帯、本当に見えないと危ないからと素材やら作り方やらを相談しても、「見えなくてもなんでも大丈夫」っと。さすがベテラン歌役者。
例え見えていなくても空間把握能力が非常に高くて、躓いたりなんてことは一度もなかったです。さすがです。


エドガー・泉篤史
その身体能力を存分に発揮したエドガー×トムでした!
脱いだり、転がったり、パックしたり、身体中にアクリル絵の具を塗りたくったり、誰よりも衣装チェンジが激しかったですね。舞台上ではあまりに激しい化粧でしたので、楽屋での一コマを。


エドマンド・島田大翼
舞台上で悪い顔がたくさんでしたー!!!
私の推しの悪い顔は、グロスターが目をエグられている時の顔なんです。
袖からこっそり動画撮って、こっそり宝物にしてます。
動画から切り取ったのを皆様にお見せします!!↓(もはや全然こっそりじゃない)



オズワルド・彦坂仁美
こんなにアクティブなヒコさんはこれまで見たことがあっただろうか!?
お稽古場で日に日に面白くなるし、動きは激しくなるし、ヒコさんのこのパワーは一体どこから出てくるのだろう。 誰よりも激しかったろうに、全然疲れた姿を見せなくて、ヒコさんって本当にすごい人なんだなぁ!と改めて尊敬したのでした。
面白すぎるこのシーン。エドガーに何度刺されても生き返るオズワルド。
毎日入念にお稽古しました!


道化1・金村慎太郎
どうしていつもこんなに変なことを思いつくんだろう(褒め言葉のつもり)。
一見、ふざけているように見えるのに誰よりも真実を語っていたり、道化という役は本当にしんさんにピッタリの役でした。
本番前の舞台稽古には、毎日化粧の途中で現れるのだけど、いつもなんか落書きが違くて、ちょっとだんだん楽しみになっていました。


道化2・沖まどか
しんさんとまどかさんのデコボココンビは最高でしたー
道化の印象が強い舞台ですが、実は道化が舞台上にいるのはそんなに多くは無かったり。
そうすると、こうやって舞台裏のモニターでずっと舞台上を見守っています。守神のような、座敷童のような道化です。
舞台裏の道化二人。


淑女・青木美佐子
母性の欠如したこの物語の全てを包み込むような、清い淑女・みさこさま。
ケントと会い、コーディリアに寄り添い、リアのお世話をしてと、陰ながらに多くの人を支えているキーパーソンです。ちなみに稽古場から「老人を敬う会」の会長としてもみんなを支えてくれました。
※老人を敬う会とは…エドマンドがグロスターを失墜させるために書いた偽の手紙の合唱を歌うチームのこと。


フランス王・沢井栄次
この物語で数少ない、いい人。フランス王の沢井さん。
ちなみに、後半冒頭では灯体を持って舞台上に現れるのですが、こんにゃく座の照明部のチーフでもある沢井さんにピッタリな担当でした。頼りになります!!!


バーガンディ公爵・吉田進也
色んなバカの帽子が登場しましたが、この馬?ロバ?の頭が誰よりも似合う、というかもはや一心同体なんじゃないかと思うほどだった吉田くん。この帽子は衣装部さんのお手製です。最高です。
吉田くんはこの帽子が相当気に入っていたらしく、いつも撫でていました。


刺客・冬木理森
黙役である刺客。最終日まで舞台上でお稽古が繰り広げられました。
一瞬のシーンだけど、後々の悲劇につながる大事なシーン。
ちなみに持っていたスマフォは冬木くん私物でした。笑。


楽士のみなさま
サクソフォン・野原孝
コントラバス・佐々木大輔
パーカッション・高良久美子
ピアノ・服部真理子
ピアノ・入川舜

いやー、本当にかっこいいんです!
『リア王』は場面がめまぐるしく展開していきます。短いと1分足らずで次のシーンに変わったりしています。 場面ごとに音楽もガラッと変わるので、さっきまでは激しい音楽かと思えば、胸がキューっとなるほど切ない音に変わったり。
野原さん、高良さんには演者から絡みもあって、さすがこんにゃく座の楽士!芝居もします!!


衣装部
1枚目のアクロバットな方が、衣装部チーフのちゃみさんです。この日記の写真のほとんどはちゃみさんの撮影です。ところどころにちゃみさんが写っている写真があるので、探してみてください。
ちゃみさん、薫ちゃん、ゆきちゃんの3人組衣装部はもう最強のチームです。
どんなものも作ってしまうし、色々な段取りもスムーズ。なんなら衣装部の粋を超えて、全てのことを把握しています。すごい。


演出部
舞台監督の大垣さんと、演出部チーフ壹岐さん。
今回は血糊を使いましたのでね、先にサンプルでいろんなタイプの血糊を取り寄せまして、色々試したりしましたよ。
そして、ちゃみさんを敬愛する私小田は舞台仕込みの時に愛する先輩を見習って、アクロバット仕込みに挑戦しました。うまくいきました。ありがとう、ちゃみさま。
そして、今回2回目の演出部の響くん。
いつも穏やかにニコニコと、そして、こだわりを発揮しつつも仕事は早い。頼れる演出部でした。
後半の方に登場するワイン。
様々な実験を経て、今回は食紅(粉末食用色素)を3色使い、ワインの色を作りました。配合は響くんの試行錯誤の賜物。おみごと!


そしてそして!!演出助手の西田さん!!
出演者20人というこの大所帯をあれよあれよとまとめていき、まるで西田さんの手のひらで転がされているよう。転がっていればちゃんとまとめてくれるので、安心感の中で思いっきりやれました。ありがとうありがとう。
不必要なことや発言はバサバサと捌いていき、でも悩み事にはどんな些細なことにも向き合ってくれます。いつまでもついていきます!


さて、まず先に終わったのはA組チーム

裏3姉妹による兵隊もなかなか見どころ多かったなぁ

そして、B組も無事に終わり

B組コーディリアは頭に花を咲かされがちで、

頭に花といえばこの人で
183cmの壹岐さんがこの帽子をかぶると一間がわからなくなるで困ります。


アクロバットな仕込みがあれば、アクロバット色塗りもあり

この人は自撮りのためにただ寝っ転がってるだけで

エンジ色がよく似合うイケメン二人は

パーティ帽子をかぶってもやっぱりイケメン(?)で

9月16日は泉篤史くん、22日は小林ゆず子さんのお誕生日だったので豪華音楽でお誕生日パーティをひらき

なぜかコーディリアがコーンウォールにお姫様抱っこされていたり、

千秋楽にはひろかさんがみんなにチョコ味のガムを配って回るという事件も。
あまりに不思議味すぎて楽屋は盛り上がったとか。

制作のかほちゃん。そして新人・白石温もバラシ頑張りました!!
二人の笑顔に癒されていたのは私だけではないはず!!!!



そしてバラシ全部終わらせましたーの図!!
本当に本当にお疲れ様でした!


シェイクスピアの言葉を浴び続けた約2ヶ月間。
終わってしまうのは寂しいです。。。が!こんにゃく座は止まってはいられません!あっという間に秋のツアーが始まります。

早くに前売り完売となった今回の公演。本当にたくさんの方に見ていただきとても幸せです。
ありがとうございました!!!!



See you again.





(写真・熊谷みさと、座員の皆様)

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