京子の旅日記(10月7日)

2009年10月7日(水)萩京子

ウィーンを出発、一路プラハへ!



日本・ドナウ交流年の事業としてのルーマニア、ハンガリー、オーストリアの公演は無事終了した。
ここから先、チェコへの旅は、「変身」初演からの夢の実現である。
ウィーンでの公演も大好評だったので、みんな疲れや二日酔い(笑)など、それぞれいろいろ抱えてはいるものの、ちょっと興奮気味だ。

10時にチャーターバスでホテルを出発。
道具を積んだコンテナーは劇場に停めてあったので、劇場に立ち寄り、そこでバスとコンテナーを合体させる。
プラハへの行き方として、高速道路で行くと400キロ。一般道で行くと300キロ。時間的には同じくらいだがどちらにするか、と運転手のバリさんに聞かれ、一般道を選んだ。
草原や畑を抜けて、町が現れ、また畑が続く・・・そしてまた町が現れ、また草原が続く。
ウィーンからプラハへ。
モーツアルトが馬車で通ったかも知れない道を行きたいと思った。
お昼休憩はチェコ側になる見込みだ。
チェコのお金コルナに両替することができるかどうかが大問題だが、なんとかなるだろう、と出発する。
あっという間に国境を超えた。
ノーチェック。
チェコに入ったとき、バスの中では拍手。
ついにやってきました。チェコへ!

お昼休憩は、大型スーパーとアウトレットと中国バザールが同居している不思議な一角で。
大型駐車場あり。
今日は閑散としているが、土日には人が集まるのだろうか?
さて、お店ではユーロが使えたようである。
私は、昨晩の劇場でのお弁当の残りのカレーとナンとライスがたくさんあったので、芝生に座り込んで、カレーを食べる。
カレーパーティーは10人以上の賑わいで、ハンガリーでいただいた赤ワインも持ち出して、まるでピクニック気分で楽しい昼食となった。

プラハの街に入ったのは夕方17時ごろ。
ホテルにチェックインするやいなや、カレル橋を見に行くツアーが組まれ、大勢出かけて行った。

私は制作チームと現地のコーディネーター、通訳さんと合流する。
まず劇場を見に行く。
アルフレッド劇場はホテルから3~4分のところにある。
今回のツアーで一番狭い空間だ。
建物の中庭にある。
まわりはアパートだ。
劇場は半地下で、入り口は階段を下りていく。
客席後方半分が地上に出ている。
なんとも不思議な立地で、劇場に入るといきなり日常と切り離された異空間という感じがする。
客席は急勾配。
椅子はなく、階段席に直接すわる。(座布団が用意されている。)
明日からの仕込みがどうなるか、今日は嵐の前の静けさ、というところ。
劇場を出たところで、舞台監督の凡平さんと出会い、明日の道具の搬入について相談する。バスの駐車、コンテナーをどうずるか、などを相談。

それから、プラハの街が見下ろせる高台のレストランで、打ち合わせ兼食事。
そのあたりは、以前スターリンの像があったところだそうだ。

初日のチケットは残り少ないとのこと。
今までの国では「売れていない」という情報ばかりだったので、大喜びする。
チケットは売れていても、宣伝のための街頭演奏はやっぱりやりたい。
プラハの街中で歌いたい。
というわけで、どこでやれるか、相談する。
ウィーンと同じく、厳密には事前に許可をとらなければいけないらしいが、やはりウィーンと同じく、「やってしまおう」となった。
市民の集まる場所、観光客の集まる場所、など何ヶ所か選び出す。
明日の夕方決行予定。

コーディネーターの黒島亜紀さんはと通訳のクチェラ麻里さんはヴァイオリニスト。
もうひとりの通訳のヤン・ペラントさんは指揮者。
音楽チームだ。
きめ細かい準備をしてくれていて、たいへんありがたい。
ハンガリーの桑名さんもそうだが、外国で活躍している日本人音楽家、その溌剌とした姿がすがすがしくて頼もしい。

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