2016年の『森は生きている』ツアーが始まりました。今回はこのような面々でお送りいたします。
紹介文:齊藤路都(3月の精役)
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【1月の精、総理大臣】
髙野うるお Takano Uruo
うるおさんが歌う「望みは叶えられるだろう」を聴くと、自然の掟に一番厳しいのはきっとこの精だろうと考える。
総理の時は、朝の某情報番組の“天の声”ばりのちゃらんぽらんなので、同一人物かしらと二度見してしまう。
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【2月の精、カラス、廷臣、大使】
沢井栄次 Sawai Eiji
先輩は最近、“二枚目を演じている三枚目の役”を楽しんで演じているように思える。厳格な2月のセリフで誰かが笑ってしまうと“してやったり”みたいな顔をしているのを私は知っている。
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【3月の精、女官長、リス】
齊藤路都 Saito Rutsu
2012年の初演の稽古の時、季節替えの歌を酒飲み風に歌ってと演出家に言われた。以来、カルアミルクの香りを思い出しながら歌っている(梅酒や、ウイスキーの日も有り)
そろそろ素面で歌いたい。
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【4月の精、警護隊長、オオカミ、廷臣】
島田大翼 Shimada Daisuke
警護隊長は女王にとても従順である。出世するためでもなく、自分が生き残るためでもなく、ただひたすら女王陛下に心酔しているようである。「一瞬の今を」でむすめに向ける優しさを併せて考慮すると、小さい女の子たちのヒーローと考えられる。
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【5月の精、ウサギ、廷臣、大使】
鈴木あかね Suzuki Akane
歴代ウサギとは全くベクトルの違う、新しい可愛らしさがある。短い尻尾を振る仕草と、5月の精として歌う白鳥のソロは、大人も釘付けにしそう。
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【6月の精、もうひとりのむすめ、リス、廷臣】
豊島理恵 Toyoshima Rie
美人が意地悪そうにピロシキをむさぼり食っている図は、この人くらい美人だと成立するのだと納得する。自分の欲求を満たすために七色の声を使い分け、妹にはいつでも臨戦態勢。敵に回したくない。
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【7月の精、むすめ】
鈴木裕加 Suzuki Hiroka
十二月の精たちに「またこここへ 焚き火に当たりにやっておいで」と言われると表情が変わる。泣き笑いみたいになる。その顔がとても愛おしい。「ありがとう」と言われると、こっちまで一年後が待ち遠しくなる。
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【8月の精、リス、オオカミ、廷臣】
川中裕子 Kawanaka Yuko
このお方を私は可愛いと思う。色っぽいと思うたことがなかった。今回のお稽古で声からにじみ出る色気を感じた。ヨーロッパにおけるフランス人のポジションを体現してくれそう。
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【9月の精、おっ母さん、リス】
花島春枝 Hanashima Harue
かわいい(姉)娘のためなら、ところ構わず剣を振るう警護隊長にだって立ち向かっていく。まさに母なる春枝女史。
むすめにマツユキソウを取りに行かせようとするシーンをメゾピアノで美しく歌い、それがおっ母さんの恐ろしさを増長させている。
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【10月の精、女王、リス】
青木美佐子 Aoki Misako
女王陛下の最後の歌で見せる不思議な瞳の色と、「わたくしたちを乗せていってちょうだい」の純水を連想させる声に、女王もちっちゃい女の子だったことを痛感する。
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【11月の精、兵士、廷臣】
佐藤久司 Sato Hisashi
兵士とむすめの二重唱のなかの「それからウサギやたくさんの人形~」では、優しい声とお茶目な動きで、スッとむすめの心に寄り添う。
初恋の近所のおにいさんな雰囲気を漂わせていて、舞台袖からのぞいてこっそり勝手に心をあたためている。
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【12月の精、博士】
佐山陽規 Sayama Haruki
森を閉めるシーンや季節替えではとても力強い。まさに頼れる長老。
むすめと十二月の精たちが出会うところで、12月はフフフと笑ってむすめを火のそばへ誘う。ヒトに一番優しいのはこの精かもしれない。12月が笑うと皆は安心して賛成できる。
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【ピアノ】
大坪夕美 Otsubo Yumi
十二月の精が最も頼りにしている13番目の十二月の精。
杖を持たずに闇を作り、雪を降らせ、吹雪を起こし、太陽を燦めかせ、花を咲かせる。
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紹介文:齊藤路都
写真:島田大翼
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