朗唱オペラ 「人は何で生きるか」(10月16日):熊谷みさと

秋がきて、急に冷え込んできた10月16日…
寒いながらも秋晴れの日、くにたち芸術小ホールにて、朗唱オペラ「人は何(なに)で生きるか」が上演されました。


いつもこんにゃく座を応援してくださっている、今岡まちさんによる台本を、惠須川理津子さんが作曲し、うるおさんの演出で届けてくれるこの企画は、2018年5月の「聖なる夜のキャロルおじさん」に続いて2回目です。

出演は、髙野うるおさん、鈴木裕加さん、島田大翼さん、北野雄一郎さん、小林ゆず子さんの5名。(うるおさんの左が惠須川さん、裕加さんの右が今岡さん)



前日夜に出演者で仕込みをして…

できるひとたちの集まりですからね、テキパキぶりが目に浮かぶようですね。



16日、朝から仕込みの続きをして、まずはゲネプロ。




私は受付の係だったのでゲネプロを見せてもらったのですが、5人の出演者が入れ替わり立ち替わり、何役も…しかもその「役」に、ピアニストと照明操作の係まであるのです!
舞台上で出演者が照明を操作するというのは、なんというか裏側を覗いている気持ちにもなり、面白いものですね。

貧しい靴屋のシューズが礼拝堂で出会った白い男。靴屋の弟子になったその男は靴作りがとても上手になり、シューズの家族を助けます。
初めて家に来た日と、大男が店に来た日、そして双子の母が訪ねてきた日の3回だけ、その男は笑い、そしていなくなる…なんとも不思議な、ほんわかとしていてドラマチックなお話。

大男の付き人(?)役の裕加さんの馬の嗎がとても上手で、その剽軽さに、面白いなあと思いつつ惚れ惚れしてしまいました。

帰り道に謎の死を遂げる大男は、店に入るときにぶつけた頭の打ちどころが悪かったのが死因なんだろうか…と考えたり、礼拝堂で石のように白い男がうずくまっているのに突然出会ったらさぞかしビックリするだろうな…と想像したりするのも楽しかったです。

お話と関係ないけど、大男役をやった島田さんは、遠野物語の水野葉舟の兄弟みたいでなんだか面白かった。

北野さんの貧乏で酒飲みのダメ夫だけど優しい、みたいなのとか、うるおさんが最後の歌で3回笑った理由…自分は3つのことがわかったんだ、と語る真摯さとか、ゆず子のちょっぴり厳しいけど懐の深い妻とか、素敵にはまっていて、さすがだなあと思いました。

そして最後の島田さんとゆずの連弾もかっこよかったー。
歌ってお芝居してピアノも弾ける、改めてすごいなぁと思います。


本番は2ステージ。終演後には涙ぐんでいるお客さまもいて、うるおさんが最後のごあいさつで「今これをやるべきだというような気がした」と言っていたことが、ほんとうなんだなあとじーんときました。


舞台で記念撮影☆



そうそう、この映し出されている絵や、チラシの絵は、花島春枝さんの作品なんですよ。
歌ってお芝居して絵も描ける…素敵です!


「末摘花」が終わってから、ネズミの稽古、森の稽古、ネズミの旅、その他諸々の稽古や撮影…と過密なスケジュールを送ってきたであろうみなさん。
楽しい時間をありがとうございました。おつかれさまでした!


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