オペラ『森は生きている』大石演出版(2012年9月~2020年12月)まとめ

2012年9月に俳優座劇場で産声を上げ、8年間こんにゃく座と共に駆け抜けた、オペラ『森は生きている』大石哲史演出版。2020年12月にこんにゃく座地元川崎市の多摩市民館で、幕を閉じました。




毎年秋から冬に、時々春や夏にも、全国各地で公演があり、いろいろな場所で、たくさんのお客さまにご覧いただくことができました。

最後の年は世の中が大変で、文化庁の巡回事業でも事前ワークショップができなかったり、子どもたちにマツユキ草を咲かせるお手伝いをしてもらうことができなかったり、公演もたくさん中止になりましたが、それでも新たにやろうと立ち上がってくださる方々や、何とかして実行しようといろいろな工夫をしてくださる方々のお力添えにより、いくつもの公演が実施できたこと、とてもありがたく思います。


みなさまの応援が本当にちからになった、そんな日々でした。

思い出尽きぬ8年間の旅を、ザザザーっとになりますが、写真で振り返ってみたいと思います!!

ほとんど自己満足な上にめちゃくちゃ長くなると思います!すみません!ご覚悟をー!




大石森初演は2012年9月。







新作の稽古はいつも、役者が自ら小道具や衣裳を工夫して用意するものですから、いろいろな不思議な存在が入り混じる稽古場でした


 
演出の大石さん昔今。
座員が演出するということは座員をよく知っているということで、良いところも悪いところも認め合って乗り越えて行けるような気がしました。



演出助手として稽古場についてくださった立山ひろみさんにも大変お世話になりました。
旅公演が始まって大石さんが出演するときなど、新人もしっかり見てくださり、そのおかげで安心して挑めたのではないかと思います。







公演宣伝動画作成に初めて挑戦したのもこの時でした。
A組男女B組男女と4チームに分かれて、それぞれのチーム内の責任者が内容を考え、島田さんが編集するというスタイル。

アングルまで全て考えられた絵コンテのもと公園へ撮影に出かけたチームや、稽古場でのラフなおしゃべりをナチュラルにお届けしたチームなど、いろいろありました。
これが今こんにゃく座内で活躍しまくっている動画部への第一歩だったと思うと、なんだか感慨深いです。

一応動画を貼っておきますね…!

http://www.youtube.com/watch?v=5qjvbVyx9jg

2012年 オペラ『森は生きている』The動画 その1~A組・女子

http://www.youtube.com/watch?v=V4CUkLHPXGo

2012年 オペラ『森は生きている』The動画 その2~A組・男子

http://www.youtube.com/watch?v=3VnHM0DgTKI

2012年 オペラ『森は生きている』The動画 その3~B組・女子

http://www.youtube.com/watch?v=QF6zxiRLPrY

2012年 オペラ『森は生きている』The動画 その4~B組・男子










稽古の前に公園まで出かけて行ってこんな風に撮影をしたことが楽しく思い出されます




大石森の振り付けは楠原さん。各月で思い浮かぶことがらから派生した3つの単語(4月の精だけ4つでした)から創る動きや、おみじかのリアル鬼ごっこなど、独特の世界が生み出されました。
大人たちの本気の鬼ごっこ、楽しかったなあ…!
写真は旅公演の稽古のときのもの。



ダブルキャストで始まった本公演、兵士役だけは3人いましたね。みんないい顔です!





販売物部では「森は生きているTシャツ」通称「森T」を作りました。



可愛いのです!いろんな色あって!


この右側のひとは


世界に一つだけの「森ワンピ」も着ていました



そして本公演の後、すぐに旅が始まったのでした。


喉のお供・龍角散(CMください!)


最初の頃の座日記を振り返って見ていると、今では常識的になっている仕込みの様子もだいぶ違っていたりして、随分効率が上がったんだなあと実感したりします。当たり前だけどね!









2階にだって差し上げちゃう





日本まつゆき草の会(JSDA)と称して、本公演演出部が会員を募集し作り上げてくれたマツユキ草の数々を

 
旅先でも丁寧にメンテナンスを繰り返しながら、大切に使いました。


ばっちり☆



うひひ☆




小道具の数々も大切に出演しました

 



 
中でも杖はとっても大事なアイテム。
月替えのときに光を放つと、客席からどよめきが起きることもありました。



杖といえば、体育館の裏に12月の精そのもののような枝が落ちていたこともありました


持った瞬間変身してしまうくらいとんでもなくぴったり!




始めはピカピカだった衣裳たちも、旅が続くにつれてボロボロに…

 
旅の合間にお直ししながら大事に着てきました。


スチーマーも丁寧に!


こうして空気も入れないと...


おっかさんが消滅してしまいますからね



どんな場所でも工夫してお洗濯

どこにだって干しちゃいます


時折現れた”荷積み煽り屋MISAKO”
こんなに洗濯物を持ってトラックに積むのを待っているんですよ。
可愛すぎる煽り屋に、テキパキ動かなきゃ!!と、まんまと煽られたものです。



4月の兄さんが2月の兄さんに4月の衣裳を着せてメンテナンスしてますね


時折キャスティングが変わると、また新たにフィッティングもしたりして


カツラを合わせるむすめに便乗している輩がいたり


このひとのかつら装着時のあだ名は「落ち武者」でした


こんなに長いのは使ってないはずなんですけどね…


むすめの赤毛はどうやらみんなが被りたくなる代物のようで、


ちょっとよこせよ


ご満悦☆


更に謎の扮装の先輩が現れた日もありました。



ひとの衣裳を着たがるひとたち


4月の精、憧れますよね



ぜんしんしましま


負けじとしましま




旅先での思い出はもう何から何までメモリアルで語り尽くせません

いろんなところへ行ったよね


城に泊まった日もあるし


北の方のツアーでは


雪かきの稽古し放題!


関東でもすごく積もった年もありました


こちらは箒で雪の道を掃く稽古かしら…?


ねえさん!それ箒やない!モップや!

 
学校のお祭りで弓道体験をする日があったり


憧れの人の母校に行ったり


どこまでもトラックで行く私たち、狭い場所でも枝を大切にするよ!


トラックが激狭の門を無事潜り抜けた後の夕焼けは格別だったなあ



歩くのもたのしいよてくてく


なまはげに


弁慶と牛若に


鍾乳洞、そして


こんにゃくパーク!


こんにゃく座レインボートラックとこんにゃくパーク、よくにあいます

稽古場がこんにゃく工場だと長年思ってらしたご近所さんもいますからね、こんにゃくパークに負けずに頑張っていきたいものです。


ね…と空見上げる男たち


そっちに何があるんでしょうか


じぶんの人民に向けて演説する女王様


ウサギとリスいっぱい
リスがわんさかいたのも楽しかったですよね!



ゆかりさんと母娘と柑橘


大先輩はたくさんのアドバイスをくれました


そんな大先輩を労ってマッサージ


マッサージ、からの筋トレ

そう、いつだって身体は鍛えてゆかねばなりませんからね!


おりゃー!


ぐぎぎぎぎ…


美しい脚へ!


伸びよ!


崩れるわけにいかないひとVS本気で体重かけるひと


ここで懸垂だってしちゃうんだもんね


私…飛んでる…!!


私も…跳んでる…!!


俺も…


跳ぶー…


ギャー!!SUGEEE!!!



フェリーで移動中だって大相撲に学びますからね、


飛びつく者を受け止める頑丈な足腰が出来上がるってもんです!


こんな私たちにずっと寄り添ってくださったピアニストさまたち…


まずはこの方、寺嶋陸也さん
大石森初演を共にした3名のピアニストのうちのひとりです。
なんでもないことみたいにいろんな音を弾いちゃうすごいひとです。
寺嶋さんと旅を共にする機会はあまりなかったけれど、次の眞鍋森ではオーケストラの指揮を振ってくださいますからね!楽しみですね!!



そしてそのお弟子さんである入川舜さんとは、大石森ラストシーズンの始まりを共にしました。
初めての『森は生きている』だった入川さん、私たちの固定概念をどんどん覆して、新しい風を吹き込んでくれました。
眞鍋森もA組のピアニストとしてご一緒します。楽しみですね!!



こちらは室坂京子さん
室坂さんは旅公演で初めて森の世界にいらっしゃり、それから時々森の旅や事前ワークショップでピアノを弾いてくださいました。
即興的に飛んでくる音たちに食らいつくのが必死な私たちはまだまだだなあと思い知らされたものです。面白かったです。



榊原紀保子さんは、初演から旅でもずっと森組を支えてくれました。
音楽をいろんな向きから見ている紀保子さんはとても信頼できるひとです。


宮崎ではストリートピアノを弾いてくれて、




私たちはフラッシュモブで翌日の公演の宣伝をしました!
フラッシュモブからのゲリラライブをするなんて初めてのことだったので、とてもドキドキして、でも楽しかった!
信頼できるだけじゃなくて、楽しいことも一緒にしてくれる紀保子さん、眞鍋森ではB組のピアニストです。楽しみですね!!



そして大坪夕美さんは、大石森初演からいちばんたくさんの旅を共にして、千秋楽まで弾ききってくれました。
バラシも大坪さんがいてくれるとなんだかすごく早い!というくらい馴染んでいる大坪さんは、楽譜が小さいことで有名なのですが、

どんどん小さくなっていく楽譜がラストシーズンにはこんなことになっていて、


最終的に12月のホール公演では、とうとう暗譜で本番をやりとおしてしまいました。胸熱です!
ずっとずっと、森と共にいてくれたんだな…と、なんだかじーんとしました。



このひとはピアニストではありません。
舞台監督の久寿田さんです。


ずっと森の旅を支えてくれた舞台監督です。


2月が照明の北澤さん、ウサギが照明の桂さん、むすめが舞台監督の久寿田さんです


桂さんは学習机でライブもやっちゃう楽しいひとです!


役者の鈴木裕加さんと照明の鈴木祥子さん。なんだか似てますね


座員照明部に囲まれているのは照明の曽根さん


とても書ききることができないのですが、たくさんのスタッフさんにたくさんたくさん助けていただき、たくさん支えられて、私たちは安心して最後まで公演ができました。
本当にありがとうございました!!!



主に文化庁の巡回事業では、事前のワークショップも各地でおこないました


始まりの記念すべきワークショップは6人でのスタートでした!


そして座員が2人、ピアニスト1人のチームに分かれて、ワークショップも各地で旅をしました。


かっこいいピアニストとチビのチーム


ベテランも若者も


珍しいチームや


フレッシュなひとたちも


そうして「ソリの歌」や「十二月の歌」を一緒に歌ったり踊ったり、オペラとは何か?を知ってもらったり、『森は生きている』のお話を少ししたりして、本番までに一人1本のマツユキ草をつくってもらい、




公演当日には、マツユキ草を咲かせるお手伝いをしてもらいました。

客席一面に白く輝くマツユキ草が咲く光景は、何度見ても心奪われたものです。



摘んだ花にお礼のサインをするむすめさん




こうして各地の学校や劇場で公演をしてきたわけですが、訪れる先々でのあたたかい心遣いに、いつも感謝の気持ちでいっぱいでした


休憩の部屋のメッセージにほっこりしたり

 

 

 
貼ってくれた素敵なものたちに喜びにまみれ

 

 
工夫に満ちた飾りつけも、とってもとっても嬉しかったです!!

 
お見送りで直接お礼が言える幸せを感じたり



 
いただいたプレゼントも、すべて宝物です。



お礼の気持ちを込めてサインも書きました

 

 
劇場に残されているサインもあります




もちろん稽古もちゃんとしました!

 
ふざけているわけではないんですよ!

 
このポーズは稽古着だとちょっぴり滑稽に見えるなと思ってしまうのですが


こんなキメ顔の2月の精が写りこめば月替えのシーンにしか見えませんね!


仕上がりはこんな感じです



パーティー好きのメンバーが集まりがちだったおかげか、

 


ハロウィンの季節には仮装大会が行われるのが恒例となっていました

 
仮装大賞は間違いなくこのひとだと思います


本番中?にも謎の虫みたいなのが現れたり



突然の号令により

 

 
浮かれサンタが仕込みをしたり


そのまま稽古しちゃったり


トラックを運転しちゃったりしました。


冬の体育館での公演が多かったので、休憩時間にストーブに集まる姿は恒例となっていて


女の園になったり


今は許されぬ密状態だったり


スマホ見ながら足を暖めたり


ストレッチ中も離れられず

 
月の精もやはり火に集まるのでした(4月の兄さんはお決まりのポーズなのですね)


そんな月の精のために杖を暖めておいてくれる優しいひと


ストーブ恋しい時期のみならず、汗でびしょびしょの季節にも、たくさん公演しました。



 
天気の良い日は月の精だって散歩に行きたくなることもあったでしょう

 


みんなで囲む食卓も、今ではなんて特別な時間だったんだろうと思います

 
何年も前なのに密を避けた食卓もあったみたいですね、一人ずるしてるひとがいる気もしますが気のせいでしょう



 
AB型が集まったり


富山県民が集まったり


学芸大が集まったり


のっぽさんが集まったり


背の順に並んでみたり


5レンジャーが現れた日もありました


集合写真を撮るタイミングの難しい廷臣たち


こちらもレアなシャッターチャンスを狙っている様子です


この写真を撮りたいがために貴重な休憩時間に大先輩に着替えをお願いしたりもしました



照明の北澤さんが送ってくださったレアな集合写真

 
集合写真にはたいてい手をあげるひとがいるみたいですね


どれもみんな、大切な思い出です。



振り返ると、8年間、本当にいろいろなことがありました。



初演の頃はまだこんにゃく座を知りもしなかった子が今は入座して一人前に働いていたり、一緒に旅をしたのに永遠に会えなくなってしまった先輩もいたり…


いろんな土地で、いろんなピンチにもあって、でもそのたびにメンバーで知恵や力を出し合ってなんとか乗り越えてきました。
たくさんの方々にお力添えいただき、ひとつひとつの公演をやり遂げることができました。

そして旅を続けるうちに、作品も少しずつ変化して、寄り添ったり突き放したりしながら、共に成長しながら歩んできました。

初演のころは2020年がこんなことになるなんて想像もしなかったし、でもこれからもしかしたら、こんなことさえちっぽけだったと思う出来事があるかもしれない。

だけど、いつだって客席から向けられるキラキラした眼差しとあたたかい拍手が、私たちの次への、果てしないパワーになります。

これまで『森は生きている』を観てくださったすべてのお客さまに、心からのありがとうを伝えたいです。
この旅で学んだたくさんのこと、一生忘れません。


大石森はこれで幕を閉じましたが、これからも続いていく『森は生きている』に、たくさんの素敵な出会いが訪れますように。

どこかでまたお目にかかれる日を、心から楽しみにしています。


ありがとうございました!!!







写真:森のみなさま 文章:熊谷みさと





2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私たちの時代に「森」があってよかった。
初演を待ちに待って、劇場に入ったあの日のことを忘れません。
森が生きていることを知っている人間としてではなく
初めてそのことに気づいたむすめと
自然の掟をしった女王のように
これからも森を大切に育む一員として観続けます。

こんにゃく座 さんのコメント...

ありがとうございます。
これからも森と生きていけるよう頑張ります。
どうか見守っていてください…!(熊谷みさと)