オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』まとめ:熊谷みさと

こんにゃく座50周年記念公演第2弾、新作オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』、9日間14ステージを駆け抜け、9月26日に千秋楽を迎えました。



緊急事態宣言延長のため席数にも制限があり、更に遠方からのお客さまはなかなか足を運んでいただくことも難しい中、応援の声をたくさんいただき、大変励まされました。
ありがとうございました!

演者もスタッフも、作品の力に心揺さぶられながら、笑いと涙に包まれ、命を燃やしてこの舞台と向き合ってきました。
こんな世の中でも、たくさんの方々にオペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』の誕生を見守っていただけたこと、心から感謝いたします。


稽古も作業も基本的にマスク着用!
暑い熱い鄭さんの稽古、運動量も相当ですから、出演者はさぞかし苦しい日々だったに違いありません…

自分たちにも常につきまとう感染症の不安の中、鄭さんは少しも怯まず諦めず、いつものとおりニコニコしながら「すんません、もう一回」と言いながら何度も何度も稽古し、「追加おじさんが出たから」と言いながら道具や衣裳を増やしたり変更したり、みんなとんでもなく働かざるを得なくてクタクタになるのですが、それでも一生懸命実現させれば必ず良いものができるとわかるから、結局頑張ってしまうのです。不思議!



劇場入り後もマスク着用で稽古稽古…の、ちょっとした休み時間をリポートしてくれるマスクサンチョ

このサンチョ役の富山さんは、唯一のシングルキャストで、とにかくずっと大忙しでした。

 
毎回パートナーが違うし


ドイツ兵の役もあるし
(一部分の返し稽古をしているためサンチョの出立ちでドイツ兵の動きを確認しています)

本番が終わってすぐ次の組のダメ出しがあり稽古がありまた本番があり…と、きっと誰よりもクタクタの日々だったと思いますが、ちょっとした瞬間に


「バイオハザードの操作下手なやつ」とか言いながら壁に向かって進めない様子をやってくれたりします。
人を笑わせるのが大好きな楽しい先輩です。



Tシャツに尻尾、しかも靴下!?のキュートな姿で佇むのは赤組ロシナンテの茂さん


時折「腰が…」と言いながらも、パワフルな美声を轟かせていました。



もちろん負けないキュートさの青組ロシナンテ大石さんは


ドイツ兵もめちゃくちゃかっこよくて


ついついメイクシーンを隠し撮りしてしまいました。


休憩中には、赤組ベル役の高岡を呼び出して何やら説得…
ではなく、マッサージをしてあげていました。優しい。



「声の限り、力の限り」ということを身体中から迸らせていた高岡ベル


顔付きもだんだん男の子になっていて逞しさを感じました。



楽屋での姿はいろいろですが、赤組ルイ役の北野さんはジャージと靴下のトータルコーディネートが際立つ椅子上体育座り。


稽古場では2人乗りの青春ごっこも捗りましたが


普段の柔らかな印象とは全然違う激情のルイも心抉る存在です。



こちらは終演後に傷を洗う青組サイモン役の壹岐くん

傷自体はシール状のものを自作していたため、それを剥がしたあとの血の流れです。
衣裳を汚さないように、塗料をいろいろ工夫してくれていました。ありがたや…!

 
幼馴染って良いなあ、なんて一言で片付けられはしないけど、絆を感じられる相手がいるって素敵なことですよね、別れは辛くても…。



出番がしばらく後のため開演してから歯磨きをしているのは今回が本公演デビューの赤組サイモン役、吉田進也くん


コロナ禍での本公演デビュー、いろいろ大変なことも多かったと思うけど、毎日よく稽古して頑張っていました。ベレー帽似合いますね。



舞台上で「いいとこの3丁目のエマはまだお前の部屋にいるのか?」とベルが父さんに尋ねられている時、青組サラの薫さんは楽屋のモニターでその様子をじっと見ていました


楽しいシーンが本当に楽しそうで印象的だったサラ


この笑顔がずっと続けば良いのに、と願わずにいられません。



そんなサラに向かって石を投げる稽古中、同期熊谷にブロックされる青組ベル役の沖さん


持ち前の運動神経と小さな身体にぎゅっと詰め込まれている大きなパワーを大爆発させて、圧倒的ベルを演じました


ロシナンテとのコンビもばっちり!


そんなベルを愛情たっぷりに包み込む青組トーマス敏之さん…いつ見ても泣けるシーンです


エプロン姿がカワイイと人気でした


青組ルイ島田さんともコンビネーションバッチリで楽しそう


メルシー♪


ルイは楽しく激しくそして哀しい役で、なんてバカなことをするんだろうと思うけれど、なんというかいちばん人間らしいのかもしれないと思ったりします。
そして破顔と激情の間に時折見せる色気溢れる様子も魅力的でした。


そんなルイとオードリー先生の楽しきダンスシーン


青組オードリー梅村さんのキレキレのダンスは日を追うごとに更にキレを増し、美しさかっこよさが爆発していてすごかったです。さすが元フィギュアスケーター!
あの長いダンスを振付の伊藤多恵さんが稽古場で毎日毎日特訓してくださり、ずっと見ていたくなる素敵なシーンになっていました。ほぇ〜!

舞台袖からしか見られないダンスシーン全編をずっとみていられるのは裏方の特権でした!ちょっぴりおすそわけ




今回登場した大切な装置の一つ、井戸。


稽古場でその井戸を調整していた赤組トーマス役の何でも直し屋うるおさん


鄭さんに「うるりんはスマートすぎるから」と腹肉をオーダーされ、暑さと戦いながら綿たっぷりのお腹で風を受けていました

 
そんなトーマスもびっくりの飲みっぷり、赤組オードリー先生岡原さんは


擬闘・栗原さんのご指導をいただいた後、舞台裏でのぶさんにパンチをくらわせる傍若無人さと


劇中ではほとんど絡みのないサラのボサボサ頭を本番中に整えて(よりボサボサにして)あげたりする優しさを兼ね備えていて


こんな時代だからこそ教育がしたい、とオードリーが語るところはいっそう胸にくる場面でした


そのボサボサにしてもらっていた赤組サラゆず子は本番中、9月22日に誕生日を迎え、なんとこんにゃく座公式Twitterの誕生日動画に早くもサラの歌が登場!


何にも縛られずのびやかに歌うサラ、見てみてね!



そして赤組が舞台稽古をした9月16日に誕生日を迎えたのは、座内演出部チーフをつとめた泉篤史くん


同じく演出部の小田藍乃さんと共に、半分出演、半分スタッフというハードな役割をこなしました


お花屋さんもやる藍乃さん

もう1人の演出部、金村くんは、本番中はずっと息を潜めて影武者をしていましたが、


助っ人あかねさんの手元をしっかり見守ったり

舞台監督藤本さんのサプライズ誕生日祝いを進行して


うまくいったダブルピースしたりしてました。
真ん中で椅子に座っているのが藤本さん。
大変な現場を隅々までみてくださり、とてもお世話になりました。


倉庫ではチケット係・齊藤路都と制作の志野が朝から晩まで票券のお仕事。
写真撮ろうとしたら齊藤さんが目を閉じて顔を向けてくれました…目が合うと石にでもなってしまうのでしょうか


こちらは滅多に入れない劇場の屋上ではしゃぐ衣裳部
(屋外で衣裳にスプレーをかけるため特別に開けてくださいました)


衣裳部の山本伸子さんが頬杖をついてボタンホールを縫う様子は何度見ても可笑しくて何度でも見たくなりました


衣裳部初挑戦の入江茉奈はこんにゃく座の表方もなんと初体験!スカートがシワシワで、着たまま山本先輩にアイロンかけてもらっています。
口うるさいチーフ熊谷のしごきにもよく耐え、衣裳部戦力の1人として立派に成長しました。


衣裳部になると結局何かしらの髪をとかしているような気がする熊谷と、それを見守ってくれる萩さん

萩さんの渾身の作曲は、楽しくて、切なくて、苦しくて、面白くて、そしてとってもわくわくします。そんな作品が新たに生まれるところを目撃できたことを、誇らしく嬉しく思います。

その音楽を常に引っ張り支えてくれたピアニストお2方


衣裳デザインの宮本さんに「三角巾を付けても麗しさが損なわれない」と言わしめた服部真理子さん


稽古場で毎日遅くまで個人練習にもつきあってくださった大坪夕美さん



そして萩さん、鄭さんとともに、全ステージ、全稽古を見守ってくれた演出助手の西田さん
忙しすぎて休憩もほとんどとれず、したがって写真撮る間も無く…
全てのことを見守り、進行し、常に明るく引っ張って、何でも解決してくれたすごい人です。
確実に縁の下のトップオブザ力持ちです!!



そして演出の鄭さんとお揃コーデのこの人は、オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』の制作チーフ田上ナナ子さんです。 たくさんの困難に立ち向かいながら、公演が成功するようあらゆる面に目を光らせ、バリバリとお仕事を進めてくれた、ちっちゃいけどすごい人なのです!


こうしてまだまだ書ききれないたくさんのひとたちの力で、お世話になった方々のお力添えで、応援してくださる方々の思いで、公演を実現することができました。

鄭さんと萩さんがこの世界に生み落とした魂が震える作品を、今、上演できたことは、私たちの大きな財産になったと思います。

オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』は、この先旅公演もしていく予定です。
もっともっとたくさんの方々にご覧いただけますように。
そしてみなさまに永く愛していただける作品になりますように。

またどこかで…!



ありがとうございました!!








☆おまけの写真集☆



観劇した方が描いてくださった絵!素晴らしいです…!!みんな大喜び!ありがとうございます!!



本番中の裏でなにやらモゾモゾしてる…?


ドイツ兵が投げていった三角旗をそっと拾っていた姿でした



引戸から差し込む針のような明かり



ぼくが描いたんだぜ!を撮影中を撮影


落書きのアップはこんな感じでした



ラストの雨が当たるかもしれなかった人の靴に防水スプレーを激しくかけた跡



なんだかミニチュアみたいに見える


おまえなんか運んでやるー!


遊んでるんじゃないんです、スカートの丈をチェックしてるんです



8月6日稽古インの日に馬フィッティングがありました。早!


美しく色付け刺繍したタッリートに汚しをかける前に記念撮影



エプロン姿でも風にあたるうるおさん


日に日に増えていった舞台袖の落書き


青組千秋楽集合☆


お疲れさまでした!



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