オペラ『おぐりとてるて』稽古お休み日誌(8月13日):高野うるお

本日は稽古休み

「おぐりとてるて」の物語の中に「鏡」が出てくる。そのシーンを稽古していて思い出した。
私が幼かった頃、2DKの団地に住んでいた。部屋で遊んでいた時、なにげなく押し入れの襖を開けた。
すると中に立てかけてあった60センチくらいの鏡が、フラッと倒れてきて、床に当たりパーンと割れてしまった。母がすぐ飛んできて、「これはおばあちゃん(母の実母)から貰った鏡なのよ!なんで割ったのよ!」とすごい剣幕で私を叱った。
普段イタズラしたり兄と悪ふざけしてよく怒られていたが、それは怒られることをこちらがしていたからで、泣きながらも納得していたが、この、鏡を割ってしまった時、私はただ襖を開けただけなのにものすごく怒られてしまったのだ。
この鏡はおそらく母の嫁入り道具だったのであろう。特に由緒正しい物というわけではないと思うが、それでも母ーー女性にとって鏡というものは特別なものなのであろう。それが割れてしまったのはかなりショックだったのであろう。
後日その割れた鏡は大中小いくつかの鏡になり我が家に戻ってきた。捨てずに再生させたところも見てもこの鏡の大切さがわかる。

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