Exotic Blueコンサート『兵士の物語』レポート(2月24日):熊谷みさと

突然ですが、こんにゃく座に関わってくださっている楽士さんは多かれど、クラリネッティストといえば、みんな口を揃えて橋爪恵一さんと答えるはずです。

その橋爪さんの妻であり、マルチクリエイターとして活躍されているしおみえりこさんがプロデュースされたコンサート、

『兵士の物語』

が、2月24日、西国分寺のいずみホールにて催されました。

バイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、パーカッションという編成の楽団に、朗読が重なってゆくこの作品。

演奏するチームは、その名も「エキゾチック・ブルー」!

何故そんな名前なのかというと…

この衣裳のためなのです!!

一目で心奪われてしまう美しい青・碧・蒼の衣裳。これはなんと、われらがマルチ歌役者、島田大翼氏のデザイン・製作によるもの。


『白墨の輪』が終わるや否や、衣裳製作に取り掛かった大翼氏。

このブルーの生地たちは、えりこさんが主催される「ちくちくきものプロジェクト」で集まった着物たちを、ほどき、染め直し、新しい命を吹き込んだものです。

鮮やかなブルーの衣裳の中にところどころ見える深く渋い青は、3.11で被災した着物の生地。小さな穴が空いていたりして、この生地が辿って来た道を考えずにはいられませんでした。


この『兵士の物語』の演奏者は8人。つまり衣裳は8着!生地もたくさん必要です。


どんどん染めます。

同じ染料に漬けても、生地によって染まり方が全然違うのです。金糸で模様が入っていたりすると、そこだけ染まらず青の中に浮き上がってきたりして、その美しさにまたドキドキします。


そうそう、衣裳製作をしているこの場所は、立川市にオープンした「LaLaLa」というスタジオです。

東北震災の記憶を伝える「できることをできるだけプロジェクト」の本拠地として、また音楽・アート・食の文化を表現できる場として、ゴミ屋敷だった建物をえりこさんや橋爪さんたちが生まれ変わらせたのだそうです。

居るだけで癒されるとっても素敵な空間なのです…!

LaLaLaの基調色は、美しいブルー。いつまでも美しい青い地球でありますように、という願いが込められているそうです。
このブルーに囲まれて過ごす時間はとても穏やかで、心が洗われてゆく気がしました。

こんな場所で稽古をしている「エキゾチック・ブルー」なので、柔らかに力強いアンサンブルを惜しみなく聴かせてくれます。

その練習の音を聞きながら、大翼氏は素敵空間で割増されたすごいスキルで8着もの衣裳をどんどん仕上げてゆきました。

「兵士の物語」で朗読をされたのは、こんにゃく座の公演でも数多く客演していただいていた、大月秀幸さん(左の方です)。


パワフルでダジャレ溢れる面白いステージでした。


衣裳デザインの大翼氏が何人かの座員を縫い物のお手伝いにちらほら呼んでいて、私もちょっぴり手伝わせていただいたのですが、えりこさんが「手伝ってくれたひともみんな『エキゾチックブルー』の一員よ」と言ってくれたことがとても嬉しく胸に残っています。こんな素敵な方だから、素敵な空間やステージを生み出せるんだろうなあ…!

そして限られた時間の中でこんなに素晴らしい衣裳を形にしてしまう島田さんの底無しの創造性とポテンシャルを改めて感じ、感服せずにいられないのでした。





写真:しおみえりこさん、島田大翼さん








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☆おまけ☆


アイロン台を背負ってスノーボーダーみたいな大翼氏と、ノリノリのシェフ

このシェフ、宍戸さんは、LaLaLaでとってもとっても美味しいごちそうを振舞ってくれました。
働き者で、愉快なひと!素敵すぎるー!

そしてこの写真の左側の女性がしおみえりこさんです。
右側の女性、清香さんも、働き者で楽しい方!いつも美味しいコーヒーを淹れてくださいました。ありがとうございました☆

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