ピノッキオの現場から・ラオス 萩京子

5月29日(火)

今日は、岡原と萩は、ラオス日本センターがセッティングしてくれた、
ラオスナショナルシアター、ラオスオペラシアター&ラオスパペットシアターとのワークショップに出かける。
ラオス日本センターの正式名称は、「ラオス日本人材開発センター」で、
JICAが運営している。
JICAとは、独立行政法人国際協力機構。
ラオスには、国際交流基金の事務局がないので、今回のこんにゃく座公演に関しては、
日本大使館が全面的に協力してくれているのだが、日本センターも協力の名乗りを上げてくれた。
国際交流基金の事務局が無い国では、日本センターが、国際交流基金と同じ役割を
果たしているそうだ。
カンボジアやミャンマー、ウズベキスタンなどでも、日本センターが日本文化を紹介している、
とのこと。

ワークショップは、午前9時から、ラオスナショナルシアターの稽古場でおこなわれた。
上記各劇団の劇団員が30名くらい参加してくれた。
ラオスオペラシアターという名称だが、その「オペラ」は西洋オペラではなく、
ラオスの伝統的な歌芝居である。
はじめに、ラオスオペラシアターの成り立ちについてお聞きした。
1992年に設立され、現在劇団員は40名ほど、というところは、こんにゃく座と似ていなくもない。
劇団は5つの部署から成り立っていて、①計画部(これは企画制作+文芸部にあたる)
②演技部③音楽部④演出部⑤事務局、となっている、というようなお話を興味深く聞いた。
ラオスの若い人たちが、タイから入ってくる新しい文化に興味が行ってしまって、
ラオスの伝統文化にどうようにして興味を持ってもらうか、という点で苦労
されている、とのことだった。

次に、こんにゃく座について、私が話をした。
そして、ソングを何曲か演奏。
(岡原のアコーディオン、萩のピアニカ、という編成でできる曲を、昨日ホテル
で練習したのだった!)
それから、こんにゃく体操を一緒にやり、最後に、『ピノッキオ』のテーマソングを歌唱指導した。
「ピ」「ノ」「キ」「オ」という音を表すラオ語の文字を紙に書いてもらい、、
それを指し示しながら、ことばあそびで成り立っている「ピノッキオのテーマソング」を
歌ってみせると、あっという間に一緒に歌うことができた。
その後、ラオスの伝統的な歌芝居と、人形芝居の一場面も見せていただいた。
このような機会を、ラオス側のみなさんはとても喜んでくださった。
私たちも、ラオスの舞台芸術にふれることができて、とてもよかったと思う。

昼食後、公演場所であるラオス国立文化会館へ行く。
岡原、萩以外のメンバーは、午前10時から仕込みをしてくれていた。
大きい!
キャパは1300くらい。
今ツアー最大の広さである。
仙台の宮城県民会館などに似ている。
なつかしい感じです。
会場の音の響きは悪くなさそうである。
ただ、ピアノの状態が悪い。
ヤマハのS4。
何をどうしたら、このような状態になってしまうのか、というほど、弱り切っているピアノである。
当初、弦が3カ所切れていたので、日本から弦を送り、張り替えてもらった。
新しい弦はピカピカで、他の弦はさびている。
でもピアノがあるだけでありがたい、と、思うことにする。

13時から、場当たりを兼ねて、ラオ語のセリフを通訳のワンさんとサリさんに
チェックしてもらう。
それが17時くらいまで。
まあ、このへんで、今日はおしまいかなー、と思っていると、歌役者諸氏が「通しをしよう」と言い出す。
明日の本番前も通したい、と言う。
通してやらないと、ラオ語のセリフが心配なのだそうだ。
わかりましたー!
やりましょう!
そして、通しで鳴らないピアノと格闘するうちに、なんだか少し鳴ってきたような・・・。
20時ころ劇場を出る。
朝、ワークショップをやって、夜、通しをやって、私はもうクタクタです!
でも、残すところ明日の1公演のみ。
がんばろうね!

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